5.新たな仲間
しばらく道なりに山道を進んでいくと、今までの様子とはガラリと変わり自然に生きる多くのlink達を目にするようになってきた。
この山も麓あたりは道が整備されていたが、今進んでいる場所まで来るとまばらに木々が生い茂り、けもの道も至る所に見られる。とはいっても人が通っていくのには苦労しない程度の余裕はある。
日が少し沈み始めてきた頃、山の中腹あたりまで来ると流石に疲労が溜まってきており、少し開けた場所で今夜は過ごすことに決めた。
「よし、この辺りで今日は休憩するか。晩御飯の準備もしなくちゃな」
今日の晩御飯は以前作ったカレーでもいいのだが、ここに来るまでに自生していたきのみなどをとっていたので、今日はきのみに火を通したものに調味料で味付けしたものにすることにした。
アクローナと一緒に晩御飯を済ませて、テントを張り寝る準備を整えた。寝袋に入ると旅に出てからそんな時間も経っていないのに今日の出来事が思い出される。そんなことを思っていると隣からアクローナの寝息が聞こえてきた。
「そろそろ寝るか。おやすみ、アクローナ」
早朝、いつもより首元が温かいような気がして目を覚ますと
「んーー、おはようアクロー...!うわぁーなんでテントの中に野菜のlinkが入ってきてんだ!」
どこから入り込んできたのか、ウィードルフが体を丸めて寝ていた。
「...アゥ?」
アクローナも俺の声に反応して目が覚めてしまったらしい。ウィードルフは一般的に山の中で暮らす四足歩行の犬型のlinkだ。気性が荒いわけではないが、無警戒に人に近づいてくることもあまりないと記憶している。
「ワーーーウ」
あれこれ思考を巡らせていると、ウィードルフが目覚めてしまった。下手に刺激してもいいことはないし、ここはあの作戦でいくか。
「ウィードルフ、目が覚めて腹減ってないか?一緒に朝ごはんを食べないか?」
そう、作戦とは食べ物で懐柔作戦だ。わざわざあちらから近づいてきているのだから、敵意もないだろうしお腹が膨れれば満足してこの場も丸く治るだろうと考えたのだ。
「ワゥ!」
するとウォードルフは元気よく返事をしてきた。
「そうと決まれば、朝ごはんを作らないとだが、野菜のウィードルフにはこの山の食べ物の方が口に合うかな?」
昨日の晩もきのみを食べていたため、味変をしたいと思いシチューの具材をこの山でとったきのみを入れることにした。
具材を切って、シチューの素を火にかけた水に入れて、様子を見ながら買った具材を入れること十数分。
「よし、完成したぞ!アクローナ!ウィードルフ!」
二人のことを呼ぶと、どちらもこちらに集まってきた。どうやらこのわずかな間に二人は仲良くなったらしい。
「二人とももう仲良くなったのか!ご飯できたからゆっくり食べな」
シチューを小皿に分けて二人の目の前に出すと、勢いよく食べ始めた。
しばらくして朝ごはんを食べ終えて、次の街に向かって進むことにした。
「じゃあな、ウィードルフ。元気でな」
ウィードルフに別れを告げる。
「ワゥワゥ!」
すると、ウィードルフは元気よく吠えて、俺の足元をぐるぐると回り始めた。
「どうしたんだ?ウィードルフ」
「アーゥアーァ」
アクローナも何か訴えているようだ。
「ウィードルフお前俺についてきたのか?」
「ワゥ!」
ウィードルフが返事をすると、さっきまでは感じられなかった目には見えないが確かなウィードルフとの繋がりを感じられた。
「これがlinkwayの形成か」
アクローナとの時はまだ俺が幼かったから形成の時の感覚はわからなかったが、今回は確かに感じることができた。
「じゃあこれからよろしくな、ウィードルフ!」
「ワゥッ!」
こうして新たな仲間を加えて街を目指して歩き始めた。
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ウィードルフ
緑成系統




