3.ハクレイ道から
まず、俺たちは町を出てトップトレーナーの登竜門としてトーナメントに参加する。そのためにはバトルトーナメントに参加しなければならないが、エントリーできる場所は施設の整っている大きな街に行かなければならない。そこで、エントリーした後にトーナメントに参加するための資格を得るための試練をいくつか超えて参加資格を得られて初めて正式にトーナメントに挑戦できる。
「えーっと、まずはこのハクレイ道を通ってハクレイの山を超えないとな」
この辺りで一番近い街であるアイロを目指すためにこのルートを通らなければならない。
ハクレイ道は町と近いこともあって比較的整備されてはいるが山に近づくに従って道は荒れていく一方だ。
それに町から出たということは自然界で生活しているlinkとも遭遇することを十分にあり得る。
俺にはアクローナがいるとはいえ俺たちは町を出たばかりの新人であることには変わらない。頭の中でイメージトレーニングしたことはあっても実際に戦闘したことなど一度もないのだから。
「とはいってもこの辺りは温厚なlinkが多いと聞いているし、よほど運が悪くない限りは大丈夫だろう」
色々考えているうちに、日が高くのぼりお昼時になってきていた。
「よし、そろそろ昼飯にするか。アクローナそろそろご飯にしよう。とは言っても母さんはどのご飯は作れないけどな」
俺は今リュック一つで冒険に出ているわけだから、普通ならそんな大量の食材や料理器具などは持ち運べないが、ここで役に立ってくれるのがlinkナビだ。
こいつは中々の収納機能がついていて、中に色々なものをしまっておける。最早こちらの方が冒険ではメインの機能ではないだろうか。
linkナビの中から鍋を取り出して必要な食料も取り出す。俺ができる料理といえばカレーかシチューくらいだから、しばらくこの料理のルーティーンが始まると考えると、母さんの料理が恋しくないこともない。
「鍋に火をかけてっと、具材はもう切っておいたし後は、鍋に具を入れて火が通るのを待つだけだな。」
初めての冒険中の料理にしては手際は良かったのではないか。
「おーい、そろそろご飯できるぞー!」
近くの木の影でのんびりしているアクローナに声をかける。
「アーゥ」
初めての遠出で疲れていたのか、それとも寝ていてまだ眠いのか、気の抜けた返事を返してくる。
「「いただきまーす《アァーアーゥ》」」
腹が減っていた俺たちはカレーを掻き込むように食べ切った。
「「ごちそうさまでした《アァーゥ》」」
アクローナもだいぶ満足してくれたようだ。
食器らをきれいしてその場を後にしようとしていると、背後の木の陰から何か飛び出してきた。
「ガァー!ガァー!」




