10.クリエイターレオン
イワン洞窟をあとにしようとする背後から石炭測定の係員の人と言い争っている・・・というよりも泣きついているような声が聞こえてきた。
「そんなこと頼まれても困ります。決まりは決まりですので」
係員の毅然とした対応に対して
「そんなこと言わずにお願いします!どうしてもこの量が必要なんです」
そんな対応をものともせず再度係員に頼みんでいる同年代くらいの男の子が視界に入ってきた。
「たった500g弱じゃないですかー。見逃してくださいよ」
「そういうわけにはいきません。あなた一人にそれを許可してしまうと他の人も自分たちにも許可してほしいと思ってしまいます。あなた一人に特別扱いするわけにはいかないのです。」
係員に至極当然のことを言われ肩を落としているのが分かる。なんの用途のためにそんなに石炭が必要なのだろうかと思いながら、彼らを見ていると遂に断念したのか男の子が出口のあるこちらのほうへ歩いてきていた。
おせっかいかと思いつつ、なんでそんなに駄々をこねていたのかが気になって彼に話しかけた。
「こんにちは。ずっと係員と話してましたけどなんで石炭がそんなにほしいんですか?」
「・・・あぁ、どうもこんにちは」
すっかり意気消沈しているようだ。
「石炭が欲しい理由はこれから練成しようとしている素材の錬成に必要な火力を維持するのにどうしても必要だったんだ」
なるほど、彼はクリエイターだったのか。火を扱うなら石炭は確かに必要になってくるだろう。しゃべって数分しかたっていないから正直気にかけすぎか?と思いつつ
「よかったら俺が採った石炭を少しあげようか?」
「!!!いいのか!?ありがとう!本当に助かるよ!」
提案してみるとすごい勢いで感謝された。気迫がすごすぎて少し言葉を発するのを忘れていた。
「・・・少し余分に採ってたから全然いいよ」
「ありがとう、俺はレオン旅をしていろんな素材とかを集めて武具や覚醒素材の錬成をやったりしてるんだ」
「俺はトーナメントに参加してるシュウだ。よろしく」
互いに手を差し出して握手を交わしながら自己紹介をした。レオンの手はごつごつしていて手のひらにもまめがたくさんできていた。これだけでかなりの修練を重ねていることがうかがえた。
「ん-----、何か俺をしないといけないな。何がいいだろう?」
レオンがお礼に何をしようか頭を悩ませている様子だったので「気にするな」と声をかけたのだが
「いーや、そういうわけにはいかないね。じゃないと俺の気が収まらないんだ。・・・あっ!そうだ!シュウもいろんなところ旅してんだろ?だったら俺も一緒についていってシュウが素材とかほしくなったときに作ってやるってのはどうだ?」
「えっ?!そんな俺と旅をするって簡単に決めていいのか?いつでも錬成してくれるのはありがたいけどさ」
「いいんだよ!旅の途中に俺も素材を集めたりできると思うしさ!」
突然の誘いではあったが、こちらとしては特に困ることはないし同行してもらうか・・・・
「そこまで言うならこれからよろしく頼む」
「あぁ、こちらこそよろしく!」
急展開ではあったが、俺たちの旅にレオンがついてくることになったのだった。




