特三、特四式内火艇とBTR-50
特三式内火艇(以下カチ)、特四式内火艇(以下カツ)は太平洋戦争中に日本海軍が開発した水陸両用戦車である。
カチは一式中戦車(以下チヘ)をベースにした車両で、要目は
全長: 10.30m(フロート付き)
全幅: 3.00m
全高: 3.82m
全備重量: 26.45t(フロート無し)、28.75t(フロート付き)
乗員: 7名
エンジン: 統制型一〇〇式 4ストロークV型12気筒空冷ディーゼル
最大出力: 240hp/2,000rpm
最大速度: 32km/h(浮航 10.5km/h)
航続距離: 320km(浮航 140km)
武装: 一式48口径47mm戦車砲×1 (121発)
九七式車載7.7mm重機関銃×2 (5,000発)
装甲厚: 10~50mm
である。
特四式内火艇は九五式軽戦車を基礎に開発した特二式内火艇(以下カミ)のエンジンを流用、足回りも流用、拡張して輸送を考慮した車両で、貨物なら4t、人員なら40名を乗せる事が出来た。
要目は以下の通りである。
全長: 11.00m
全幅: 3.30m
全高: 4.05m
全備重量: 17.7t
乗員: 5名
エンジン: 三菱A6120VDe 4ストローク直列6気筒空冷ディーゼル
最大出力: 120hp/1,800rpm
最大速度: 20km/h(浮航 8km/h)
航続距離: 300km(浮航 160km)
武装: 45cm魚雷×2
75.8口径九三式13mm機銃×2
装甲厚: 10mm
ソ連が1954年に水陸両用戦車PT-76をベースに開発したBTR-50兵員輸送車は
全長: 7.07m
全幅: 3.14m
全高: 2.03m
全備重量: 14.2t
乗員: 2名
兵員: 20名
エンジン: V-6V 4ストロークV型6気筒液冷ディーゼル
最大出力: 240hp/1,800rpm
最大速度: 44.6km/h(浮航 10km/h)
航続距離: 110km
武装: 7.62mm機関銃SGMBまたはPKT×1 (1,250発)
装甲厚: 6~10mm
である。
カツが軽戦車の履帯をそのままコピーした為か小石を噛んだ履帯が切れたり、120馬力で最大17.7tを動かすマチルダシリーズ並みのアンダーパワーが祟ったのか騒音が酷かった事。
設計時に鉄道輸送を考慮しなかった為車両限界の3mを超え、東海道線より駅が少ない日本海側を通常運転が終了した夜間に通って呉に運んだ事を考えると、サブマシンガンと20㍉機関砲、空挺関連装備以外陸軍と装備が共通の陸戦隊を抱える海軍が、カミより5.2t増えてチハどころかチヘより重くなった時点でカチのエンジンとシャシー、足回りだけでも流用していたら先に挙げた履帯切断も騒音も陸送の手間も発生しなかった可能性が高い。
BTR-50を取り上げたのは水陸両用兵員輸送車と言う点でカツと一致していた為。
かつて戦後の艦砲を前倒ししようと述べた自分が言うのも何だが、流石に戦後開発のPT-76やそのファミリー車両であるBTR-50をトーションバーサスペンションや製作難易度の高いウォータージェット、後期型の様にNBC装備込みで先取りしよう等とは言わない。
車体後部に機関室があるPT-76の車内レイアウトをそのまま引き継いだ為、兵員の乗降に手間取る欠陥も先取りしかねないし、PT-76の主砲である48口径76.2㍉砲に相当する物は三年式八糎高角砲や八八式野戦高射砲があったが、どちらも戦車砲用にリファインされていない。
火力支援は装甲艇に任せて目的を物資と兵員輸送に割り切るべきだろう。
BTRが13~14㍉級重機関銃を搭載し装甲厚もカツと等しく、水冷、空冷の違いは有れど馬力がカチと同じ事に気付いたのは調査した後。
総重量6~7tで兵員12名を輸送可能な一式装甲兵車ホキ、一式半装軌装甲兵車ホハを合計で500両程度しか生産出来なかったので書いていて虚しくなるが、BTR-50兵員輸送車に匹敵する車両を戦時中の日本が製作する事は技術的に可能だったのだ。
参考文献
日本の秘密兵器海軍編
参考サイト
戦車研究室
wiki
特二式内火艇、特三式内火艇、特四式内火艇、PT-76、BTR-50、 一式装甲兵車、一式半装軌装甲兵車




