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魔王、勇者

事実上の第4話です

ちなみに弱くては少なくとも来年では終わると思います

ってか60話あるかないか位の量の気もしますので

「大丈夫ですか⁉︎」


消え行く意識の中でずっと聞こえていたのは心配する勇者の声だった

全く……

自分の油断が原因でこんな事になっているのに……


「全くバカだな……勇者ともあろう者が……」

「⁉︎」


しまった

声に出てしまっていた

と言うより生きていた


「すいませんでしたぁっ‼︎」


勇者が深々と頭を下げる

多分キールドラゴンの件だろう

それ以外の心当たりも特に無い

自分が生きていたとはっきり確認すると安心がやってくるがそれと同時に怒りに似た感情も湧いた

矛先はもちろん勇者だ


「‼︎」

「キールドラゴンは尻尾だけでも1日程度は動けるだろ! なんで放っておいたんだ‼︎」


感情に身を任せて勇者の頬を力任せに叩く

命をかけて守ったんだ

それくらいは流石に許されるだろう

自分がいなかったら今叩いた頬の持ち主すらこの世にいないのだから


「自分がまだ未熟者で……切り落としたからって……調子に乗ってました……」

「それは勇者。お前自身の責任だよな」


勇者は涙を目に浮かべながらこくりと頷く

こんな事になるなんて予想外

だとでも思ったのだろうか

怒られるんだったら助けなければ良かった

なんて思っていたのだろうか


「本当にすいませんでした……」

「違う……違うだろ」

「謝り方が」

「?」

「謝るときは次にどうするかを言う……謝罪ってのはそう言うもんだ」

「次は相手を倒しても……油断しません」

「そうだ……だがな」

「な、なんですか……?」


緊張している様にも怯えている様にも見える

だが別に怒りたくて怒っているわけでも無いから必要以上に怒る必要もないだろう


「さっきの剣術は見事だったぞ」

「んっ……」


まだ使い慣れていない手で勇者の頭を撫でる

人間の手は魔王の頃と比べると小さく柔らかい物だが、生命の温かみを感じることが出来る

これからはこの人間として

挑戦者として『私の城』まで行こうか


「じゃあな……私には行くべき場所がある」

「ちょっと待ってください‼︎」


この場所を足早に立ち去ろうとすると、突然勇者に呼び止められる

謝罪は済んだだろうしこちらの筋は通っているし相手は勇者だ

逆上。なんて事もないだろう

だが、だとしたら呼び止められる理由はなんだろうか


「で……弟子にしてくださいっ!」

「弟子……?」


これは意外だった

まさか少なくとも現在格上の相手に弟子入りを懇願されるなんて初めてだ

今までは魔物たちを奴隷として扱っていただけだった

サキュバスだけは弟子入りを懇願してきた為、特例的に認めたが


「またなんで私なんかを……」

「貴方は……私より知識を持っていました! きっと相当の手練れだと見ました! 弟子にしてください!」


勇者は勢いよく頭を下げる

その勢いでポニーテールがぴょこぴょこと揺れている

そうか

この知識は実践経験によるものだと思われてしまったようだ

ただそれだけなら証明は容易い

少し悪い気はするが現実を見せてあげる事にしよう


「悪いが私は強くなんかない……尻尾に攻撃されてこんな状態になってるんだ 分かるだろ」

「分かりませんよ‼︎ だったらなんでこの辺にはめったに出る事のないキールドラゴンの習性を熟知してるんですか‼︎ 私だってこれでもいろんな場所を旅してるのに‼︎」

「たまたまだ……旅行で来ただけ」

「だったらなんで私が戦ってる時にじっと見てたんですか⁉︎ 現地の人なら尚更その恐ろしさを知ってるはずですっ‼︎」


こいつも同じ

サキュバスと同じだ

理論じゃなくて感情で動く

それに人間になった私も同じだ


「そこまで言うなら引き受けてやるがガッカリするなよ?」

「ありがとうございますっ!」


特に押しにはとことん弱いところがな

次回は多分今週の土曜か日曜に投稿できる



……と思います

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