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君と繋がる七分間  作者: ひだりみぎ


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7/36

届かなかった二通

 翌日、土曜日の朝。

 7時2分

 目が覚めるといつものようにメッセージが届いていた。


『おはよう、湊』


 昨日までと同じ。

 あまりにも同じだった。


 俺は「おはよう」と返信して、スマホを眺めた。


 美月からの返信はすぐに届いた。

 そこからいつものように……美月が生きていた頃と同じように、何度かメッセージを交わす。

 だけど、しばらくして俺はふと、昨夜のことを思い出した。


 日付が変わったあと、美月とのやり取りは消えていた。

 そのあと、寝る前に俺は一通だけメッセージを送っていた。


『明日も話せるかな?』


 送った直後には、既読はつかなかった。


 今なら――。


 そう思って、俺は昨夜送ったメッセージを確認した。


 そこには、まだ既読がついていなかった。


 7時6分

 まだ寝ていた蓮を起こす。


「蓮、これ見てくれ」


「おはよ……なに?」


「今朝もやっぱりメッセージが来た。少しやりとりしたんだ。でもなんか忘れてることがある気がしてさ」

「昨日、寝る前に一通追加で送ってたんだ。それに反応がない気がして遡ってみた。そしたらさ……」

「その一通だけ、既読がついてない……」


「……ほんとだ」

蓮は画面を覗き込む。

「なんだろこれ。バグ?今朝は普通にやりとりできてるんだろ?」


「うん」


「じゃあ美月に聞いてみろよ。夜中のメッセージ見れた?って」


 7時9分

 蓮に言われる通り、美月にメッセージを送る。


『夜中に送ったメッセージって見れた?遅い時間に送ってごめんな』



 既読はつかない。


 しばらく待ったが変化がない。

 俺たちは一旦、来客用の布団を片付け、朝食を摂った。


 その後も何度か確認したが、既読がつくことはなかった。


 結局、昼になっても。


 夕方になっても。


 変化はない。


 そして――。


 夜。


「そろそろだな」


 蓮が時計を見る。

 時刻は23時58分。


 俺たちは並んでスマホを眺めていた。

 昨日、日付が変わったあと美月とのやり取りは消えた。


 今日も同じことが起こるのか。

 0時になる瞬間に消えるのか。


 それを確かめるために、俺たちは待っていた。


 23時59分。


 蓮と俺は、何も言わずスマホを見ていた。


 23時59分50秒。


 時計の秒数だけが進んでいく。


 そして――。


 0時00分。


 画面を確認する。


 そこにあったメッセージが、消えていた。


 昨日寝る前に送ったメッセージも、今朝送ったメッセージも最後まで既読がつくことはなかった。


 今日のやりとりもスクショに残してある。


 蓮が呟く。

「やっぱり0時に消えるのか……」

「でも、これで一つはわかったな」


「うん」


「でもさ」


「ん?」


「既読がつかなかった二つのメッセージ。あれはなんなんだ?」

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