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君と繋がる七分間  作者: ひだりみぎ


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そのうちね

 抜けている写真が何かについては考えてもわからないだろうと、アルバムを本棚に戻す。

 本棚に並ぶ本に目が止まった。


 美月に勧められて買った本。

 その隣には、以前一緒に観た映画の原作本もあった。

「……この本」


「あ!それの映画おもしろいよね!みーちゃんとDVDみたよ!」


「俺は映画館でみたよ。美月と。」


「私は本読まないからわかんないけど原作もおもしろいらしいよ」


「家にあるから、帰ったら読んでみるよ」


 そう言って、本を棚に戻した。


「今日はそろそろ帰るわ」


「うん。お母さんも言ってたけどいつでも来てね」


「おじさんにも会いたいしな。ゴールデンウィーク中にまた連絡するかも」


「うん!待ってる!」


 美月の部屋を出たあと、おばさんに挨拶をして白石家を後にした。



 翌朝。

 

『おはよう、湊』

 お馴染みになってきた朝の挨拶。


『おはよう。今家にいる?』


『ううん!ちょっと出かけてる!』


『そうか。』

 次の言葉を考えていた。

 何か聞けないだろうか。

 美月が何をしていたのか、何を楽しみにしていたのか。


 続く言葉が出ないうちに返事がきた。


『おもしろいところ見つけたからね。教えないけど!』


『おもしろいなら教えてくれよ』


『今はダメ!そのうちね!』


 ……そのうち、か……


 考えているうちに時間がきてしまった。

 昨日、美月の部屋で見つけたアルバム。

 そこからなくなっているであろう何枚かの写真。

 そして、美月の元クラスメイトから聞いた、放課後に急いで帰っていたことや、何かを楽しみにしていたという話。


 それぞれの情報を一人で考えていても、答えは見つかりそうになかった。

 蓮に相談してみることにした。




 いつものカフェで蓮と合流する。

 凛と話したことや、久しぶりに白石家を訪ねたことを伝えた。


「美月のお母さんに言われて、凛と一緒に美月の部屋に行ったんだよ。部屋に入ったのは小学校以来だったかな」


「何かあの頃の美月ちゃんのことわかったか?」


「わかんなかった。でも違和感は見つけたよ。」


「おっ、何があったんだ?」


「あったっていうよりなかった。アルバムを見たんだけどさ、何枚か写真がなくなってそうだったんだ」


「写真か……。なくなってた写真ってどんなのかわかるのか?」


「何枚かは。入学式の写真とか」


「高校の?」


「いや、小中のやつ。そういえば高校の入学式でも撮ったけど、その写真もアルバムになかったな。俺も持ってないや。」


「入学式か……。他には?」


「わかってるのは林間学校の日の朝の写真。凛と三人で撮ったやつ。他にも2、3枚なくなってそうだった」


「わかんないな。まず写真がなくなってるのが美月ちゃんが放課後何かしてたことに関係してるのかすらわかんないしな」


「そうなんだよな。あ、あとこれ」

 蓮に今朝のやりとりを見せる。


「おもしろいところ……。こっちの方が関係ありそうだな」


「だよな。でも何してたかもどこ行ってたかも、何を聞いても秘密って隠されちゃうんだよな……」


「そもそもなんで亡くなったはずの美月ちゃんから毎朝メッセージが届くのかもわかんないし、わかんないことだらけだ」

 蓮が天を仰ぐ。


「メッセージが届くのは何か理由があるんじゃないかなって俺は思ってる。美月が何か伝えたいことがあるのかも」


「でも教えてくれないんだろ?」


「うん……。だから入学直後の、あの頃の美月のことを知れれば何かわかるかもしれない」


「本人から話が聞けないならやっぱりいろいろ調べていくしかないよな」


「だな。関係ないかもしれないけどなくなってた写真も気になるし。」


「凛ちゃんには朝のメッセージの話はしてないんだっけ?」


「してない。なんて言ったらいいかわかんなくて……」


「今のところはしなくていいんじゃないか?いつか伝えられる時がきたらで」


「うん」


「今度俺も凛ちゃんに会わせてくれよ。余計なことは言わないからさ」


「いいけど、何で?」


「凛ちゃんは家族としてずっと美月ちゃんと一緒にいたんだろ?家での美月ちゃんとか俺らが知らない何かを知ってることがあるかもしれないし、三人で調べてみるのもいいんじゃないかと思ってさ」


「三人で……」


「もちろん、凛ちゃんが嫌じゃなければだけどな」


「……そうだな。考えてみるよ」

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