あの日の言葉
凛と一緒に、アルバムを全て見直した。
林間学校の写真以外にも何枚か写真がなくなっていそうなスペースがあった。
美月は写真を現像する時に俺の分も現像し、渡してくれていた。
ただ、美月が撮った写真を、全部俺にも渡してくれていたのかはわからない。
それでも、なくなっている写真にいくつか心当たりはあった。
小学校と中学校の入学式の写真だ。
入学式のたびに俺と美月は校門の前に並ばされて写真を撮っていた。
美月があの写真をアルバムに残していないはずがないと思う。
「これ……やっぱり入学式の写真がないよな」
「うん、そうだと思う。卒業式のは残ってるし」
「中学の頃の写真が一番多く抜けてそうだな。運動会、文化祭、修学旅行……おっきな行事の写真はちゃんとある」
「小学校のは入学式の時の写真と……この抜けてそうなとこはさっき話してた林間学校だよね」
「それは間違いないと思う。なんで入学式はないんだろう。俺が美月にもらってた写真はアルバムにほとんど残ってるみたいだけど」
記憶をたぐりながらアルバムを見直した。
自分の手元にある写真で見覚えのあるものはほとんど残っている。
ただ、見たことのない写真があるのも事実だ。
「これとか初めてみた。昼寝してるとこまで撮ってたのかよ美月のやつ」
「盗撮だね!みーちゃんは盗撮犯だ!」
「見たことない写真もあるってなるとどんな写真がなくなってるのかわかんないか……」
「ねえ!流さないで!」
凛が何か言っているが、今は真面目な時間なので無視だ。
「ダメだ。わかんない。凛は美月のアルバム見たことあったんじゃないか?どんな写真があったか覚えてないか?」
「うーん、覚えてない。でもいろんな写真あったけど、湊くんの写真が特にいっぱいあった!」
「それはまあ一緒にいた時間が長いからな。多くもなるよ」
「私の写真もあるけど湊くんの方が多い。ずるい!」
「ずるいってなんだよ」
「もっとみーちゃんに写真撮ってもらいたかったな……」
「俺もいまはそう思うよ……」
自分たち、そして美月が写った写真をもう一度ゆっくりと眺めた。
懐かしい写真も、知らなかった写真もあった。
今になって、林間学校の日に美月が言っていた「後で見たら今日のことを思い出せる」という言葉がわかった気がした。




