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4月◯◯日
違和感の原因はわかっていた。
美月が誕生日に触れないわけがない。
なぜなのか。
いくら考えても、答えは出なかった。
いつの間にか眠っていたらしい。
スマホの振動で目が覚めた。
『おはよう、湊』
『おはよう、美月』
『起きるの早いね。起こしちゃった?』
『いや、大丈夫。ちょうど起きたとこ』
『なあ、美月』
『なあに?』
『俺の誕生日って、覚えてる?』
考えてもわからないなら直接聞いてみる。
文字を打つのに、少しだけ勇気がいった。
『もちろん覚えてるよ!』
だよな。美月なら覚えている。
安堵はした。けれど、「なぜ」が膨らんでいく。
返事をしようと画面に指を伸ばすと、
『来週だね』
……
…………
……………………え?
指が止まる。
画面に表示された「来週」の二文字から、目を離せなかった。
来週。
美月はそう言った。
俺の誕生日は、昨日だった。
美月が俺の誕生日を忘れるはずがない。
なのに――
『来週だね』
その言葉だけが、頭の中で何度も繰り返される。
来週。
美月にとっての今日は、いったい何月何日なんだ?




