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第四話「エッフェル塔の人柱 前編」2

「人員拡充は嘆願しておるがの。なにぶん、こんな組織じゃ。そうそういい人材なんぞおらん」

「やれやれ……」

 玉兎は暖炉の装飾・マントルピースの上の資料を手に取る。

 そこには建設途中のエッフェル塔の写真が添えられていた。

「エッフェル塔……か」

「いつの世も、人間は高い塔を作りたがるもんじゃの」

「あんたが言うと、説得力が違うな」

「茶化すな。大変じゃったんじゃぞ」

 毛玉が怒るが、全く威厳は無い。

「……とにかく、エッフェル塔に話を戻すぞ。まず、はっきり言ってアレの目的がようわからん」

「万博の目玉だろう?」

「だとしてもじゃ。その後の使い道もないわりに、反対を押し切ってこれほど急いで建設しておる」

「裏の目的があると?」

「どうにも魔術的意味合いがありそうなのじゃよ。実際、あの塔を中心に呪いの力が大幅に増大している」

「呪いでもまき散らすつもりか? となると、ある種の大砲か」

「あくまで推測じゃがな。……いずれにせよフランスが呪術で標的にするならまず英国じゃ。上も心配なんじゃろうよ」

「……しかし雲を掴むような話だな……」

「塔は雲を衝くもんじゃからな」

 言って、一人で笑う毛玉。

「……とにかく行ってみよう。……ヴェロニカを頼むぞ」

 玉兎は資料を手に、本部を辞した。

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