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第三話「倫敦の吸血鬼 後編」2
「俺たちは、八〇年前、『奴が処刑された』のを見た。いや、正確には、『俺たちが奴を捕えた』から、奴は処刑された」
「そうじゃな。確か、呪いのナイフの件だったはずじゃ。じゃから最期は公式記録にない」
「ああ。やはりそうか。奴は人間だった、そうだな?」
「そうじゃ。ナイフも、まぁ、大した代物じゃない。お前さんの国の妖刀に比べればな」
「……奴は、吸血鬼ではない……」
考え込む玉兎。
「なんじゃ、あの吸血鬼はトッドなのか?」
「そう考えていた。だが――その娘を襲ったのは吸血鬼だった」
「うむ、トッドであるはずがない。奴がスコットランドに逃げて生き延びたなどというのはあくまで物語の中だけじゃ……」
不意に、B・Bが言葉を切る。
「……物語で、ふと思い出したんじゃが」
「何だ?」
「トッドの話には『共犯者』がいなかったか?」
「……!」
玉兎の目が見開かれる。
スウィーニー・トッドの物語にはバージョンによって共犯者の存在が語られる。
トッドの殺した死体を解体し、ミートパイにして売りさばく『愛人』の存在が。
「まぁ、儂らはトッド本人を捕まえただけじゃ。実際に共犯者がいたとしてもわからんがな。後世の作り話だろうよ」
「いや……居る」
玉兎の脳内で、全てが繋がって行く感覚。
「そういう……事か!」




