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第一話「道士と殺人鬼」13
「頸木符・神荼・鬱塁解放! 常世之鬼歸國!!」
玉兎の体が左右に裂けた。
神荼・鬱塁は門番の神であり、武人の姿であらわされる。
玉兎の体の左右にそれぞれ輝く符が現れると、そこに武人の図像が浮かび上がり、そして爆ぜた。
同時に、彼の体の中央からおぞましい音を立てる渦が生まれる。
「見るがいい! 鬼門へ直接接続した常夜への回廊だ! 同じ穴の狢は、同じ穴に堕ちるべきなのだ!」
渦はまるで強大な重力を帯びているかのように、エクスカリバーと黒い影だけを引きずり込もうとする。
それは、この世ならざるものをこの世ならざる場所へと還す孔。
『RRRR!!』
妄執より生まれしその剣は、闇の重力をこらえ、己を石畳に突き刺し、現世にしがみつこうとしていた。
「こんちくしょうが!!」
飛び込んできたヴェロニカのドロップキックが、その柄に炸裂した。
『!?』
思わぬ一撃であったのだろう。
聖剣の刀身が、石畳から引き抜かれ、同時に黒い影たる体ごと渦に引きずられて宙に浮いた。
「もらったぞ!」
同時に、玉兎の左手が、黒い影の中央を打ち抜き、何かを引き出した。
それは呪いの聖剣を成す、核だったのだろう。
急速に影は形を失い、渦に飲まれ――




