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第一話「道士と殺人鬼」12
視線の先には、ヴェロニカ目がけて駆けて来る黒い影とその手に握られる聖剣。
「エクスカリバー、お前はケルトの勇者が残した呪い。即ちイングランドの勇者を殺すための存在。ゆえにお前は魂で標的を選ぶのだろう」
『RRRRR!!』
「お前は『魂の色を見て』娼婦を殺した! なぜなら体は売っても心は売らぬ彼女たちの気高い魂を、『勇者のそれと判断したから』だ!!」
ならば呪われし聖剣は、玉兎に何を見たか。
『RRRRR!!』
刀身から放たれるは、呪いの炎。
悪意が黒い火炎と化して、玉兎へ殺到する。
「なめるな……! 我は驕慢から肉体を失い、鬼門の気を大量に浴びた符によって長らえる者! 即ち外道なり!」
符が宙で、上下二本ずつの平行線に挟まれたその二本と等しい長さの平行線――八卦で言う坎の形へと並び変わる。
「呪われし火であっても火気に過ぎん! 五行相克・水剋火!」
坎は水を象徴する。それは火を消し去る力。
呪われし炎が符に弾かれると同時に、その符を割いて玉兎が飛び込んだ。




