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【打ち切り】クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-  作者: よぎそーと
十一章

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98話 回想2:予想外

「連絡がつかない?」

「ああ。

 ヨドミはなくなってるんだが。

 そっちに行った連中が戻ってこない」

「現場には?」

「誰もいない。

 どこかに隠れてるのかもしれないが。

 でも、今の今までなしのつぶてってのもな」

「じゃあ、やっぱり」

「……かもしれん」

「あいつらか」



 戻ってこない者達の安否が気遣われていた。

 ヨドミの破壊そのものはなされているが、帰ってこない者が出てきている。

 これまでの経緯から、封印派の待ち伏せだろうと誰もが思っていた。

 カズヤの周りでも、封印派への怒りが急上昇していく。

 実際にどうなのかは不明であったが、一番可能性の高いのはそこしかない。

 確認がなされてるわけではないが、だからこそ様々な予想が出てくる。

 何かしら情報が入れば考えが変わるかもしれなかったが、その可能性は低い。

 もともと人数が少なく、組織力がない。

 仲間とともに行動してるが、それが直接情報収集につながるというわけでもない。

 協力者はいるが、彼らも有力者というわけではない。

 様々な機関や団体などとのつながりがあるというわけではない。

 そういった方面からの情報はまず手に入らない。

 一般人とのつながりも同様で、それほど広く接触があるわけではない。

 こういった部分ではとにかく数多く接点を持ち、よせられる情報の多さで勝負するべきなのだろうが。

 それが出来るほどのつながりもない。

 残念ながら入手できる物事には限界が発生してしまう。

 かなり早くそれらは訪れ、しかも発展性がない。

 個人の能力では封印派を超えてるカズヤ達だが、全体としての力はそれほどでも無かった。

 だからこそ起こってる事態を正しく把握することが出来ずにいた。



 それでもあちこちに探りをいれ、協力者を頼り、か細い伝手をたどっていく。

 今まで接点を持たなかった者達にも接触し、少しでも次につながる何かを求めていく。

 時間と金と手間を駆使していかねばならなかった。

 また、戦闘とは直接関係がないこういった部分で活動をするため、交渉などの技術を身に着けるものも出てきた。

 化け物相手にするには何の意味も無いことであるが、人間相手だと必要になる。

 封印派が脅威として出てきたために、こういった方面でも行動できるようにならなければならなかった。

 化け物相手に専念したいものだが、状況がそうはさせてくれなかった。

「にしても」

 その中にあってカズヤもぼやく。

「なんで人間同士で争うんですかね」

「何言ってんの」

 マキは呆れながら答えた。

「人間同士だから争うんじゃない。

 昔から戦争や派閥争いに政治権力闘争、子供の言い争いから言いがかりに喧嘩なんてしょっちゅうでしょ」

 言われてみればそうだった。

「じゃあ、これもその一つなんですかね?」

「だと思うわ」

 うんざりしながらマキは答える。

「こんなことやってる場合じゃないのにね」



 そのおかげで、また暫く様子見が続くことにもなった。

 化け物退治とヨドミの破壊は続けていたが、どうしても慎重になるしかない。

 ヨドミの破壊にいく人数を増やし、その一方で基地にしてる場所にいる人数も増やす。

 一箇所に集まる人数を増やすことでとりあえず対応をしていた。

 おかげで巡回できるヨドミが少なくなった。

 状況が分かるまではこうしているしかないが、それが余計にストレスになっていく。

 状況からして封印派の待ち伏せにやられた、と誰もが考えていたので、さっさと封印派に報復を、という声がどんどん大きくなっていく。

 実際に起こった出来事でもあるので、誰もそれを疑ってなかった。

 だとしても、どうのように行ったのか、首謀者は誰なのか、当事者はどこからやってきたのか、などが判明してない。

 やるにしても、そのあたりははっきりさせておきたかった。

 もっとも、

「どこの奴だろうと関係あるか。

 連中がやってる事に変わりはないだろ」

 そういう意見も出てきていた。

 やった当事者だけに報復を、という意見がまだ大勢を占めていたが、そこで我慢できない者達も増えてきていた。

 組織だって行動してるならば、全体が何らかの形で支援してるのは確かでもある。

 個人や部署によっては賛同してない所もあるかもしれないが、組織全体の一部として組み込まれていたらそうも言ってられない。

 直接関与してなくても、そういった者達が組織の一員として活動し、組織の運営を助けているなら間接的に支援してることにもなりうる。

 明確に反対し、活動を妨げるくらいのことをしてなければ、それは口先だけの言い訳である。

 封印派全体への報復を唱えてる者達の異見はおおむねそんなものだった。

 それを抑えてる者達もいるが、彼らもだんだんと劣勢になりつつあった。

 被害が今のところ止まってるからどうにかなってるが、それも時間の問題に思えた。



 しかし、情報を集めていくとおかしな事に気づいていく。

 封印派と思われる者達や、彼らの抱えてる団体などへの襲撃が判明してきた。

 規模の小さな所からそれなりの大きさの場所まで、様々な場所が壊滅させられていた。

 物理的な損壊は無くても、化け物に憑りつかれた者ばかりになっていたり、場所そのものが化け物の巣になってるところもあった。

 それらを鎮圧しに対処可能な者達が動員されたりもしたようだが、そのほとんどが返り討ちにあってるという。

 少しずつそれらが判明するにつれ、カズヤ達も首をひねるようになった。

 自分達を襲撃してるのは封印派のはずである。

 それがなぜ襲撃されてるのか?

 化け物におされてるようではあるが、だとしてなぜここまで劣勢なのか?

 そもそも化け物がこうも集中して行動してるというのが不可解である。

 本能的に行動してるとしか思えない化け物なのだが、状況からしてそうとは思えない動きをしている。

「何がどうなってんだ?」

 誰かが発した言葉が、それを知った者達の素直な感想だった。

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