表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オッサンと少年の入れ替わり。オッサンは異世界で美味い料理を作り、少年は日本で無自覚に色々やらかす。  作者: BIRD


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/244

ep60:氷魔法で缶ビールを冷やそう

 僕は鹿を解放した後、林を出てそのまま温泉街へ向かった。

 徒歩20分ほどの坂道だが、筋肉痛に耐えつつ歩いて行く。

 一軒だけある小さなスーパーに入ると、缶ビールの六本パックとサラミを買って帰宅した。


 晩酌には、一本あればいい。

 ウォルクリスは飲まないので、二日に一本だ。

 入れ替わりは一日おきに休肝日ができて、肝臓にはいいかもしれない。

 僕は隔日の異世界行きを気に入りつつあった。


(そうだ、ジャックさんが使ってた魔法を練習してみよう)


 冷やす前のビールを見て、思いついた。

 魔法でビールを冷やしてみたい。

 いきなりやって失敗するのはビールが勿体ないので、最初は空き缶に水を入れて試してみた。


 部屋の隅っこにバケツを置き、その下にはバスタオルを敷く。

 バケツの中に水を入れた空き缶を置いて、実験を開始した。



 一回目。


(駄目だこりゃ。ビールで釘が打てそうだぞ)


 魔力を込め過ぎて完全凍結。

 氷点下40℃の世界にいっちゃったかもしれない。

 中の水はカチカチに凍り、缶には霜……いや、氷がついている。

 氷が鈍器になりそう。

 冷やし過ぎだ。

 俺はビール氷を食べたいわけじゃない。



 二回目。


(麦茶ならアリだけどなぁ)


 まだ強かったかな、半分くらい凍ってる。

 中の水は、外側が凍って内側は液体のままになっている。

 缶には氷がついていて、外から見た感じは一回目と同じだ。

 部活に持っていった氷麦茶を思い出した。

 麦茶は美味かったけど、ビールは風味が変わって美味しくなさそう。



 三回目。


(これだ!)


 いい感じに冷えた!

 これこれ、これだよ。

 缶には霜がついているのに、中の水は凍っていない状態。

 もうちょっと魔力を込めていたら凍り始めそうだけど。

 この絶妙な力加減を、三回で覚えられたのは僥倖だ。



(おー、いいなこれ。アウトドアに役立つぞ)


 水で成功した後は、ビールで試してみた。

 ビールは氷水で冷やしたよりも冷たくなっている。

 キャンプで役立ちそうだけど、人に見られないようにしないとな。

 無詠唱だから気づかれないだろうけど。


 ビールの凍結点は水よりも低いので、0℃くらいまでは冷えても大丈夫。

 凍り始めるのは氷点下3℃からの筈。

 居酒屋の氷結ビールは氷点下2℃だっけ。

 今年の夏は、魔法でキンキンに冷やしたビールを飲みながら花火を見よう。



 夕飯後。

 僕は温泉にゆっくり浸かり、部屋に戻ると魔法で冷やした缶ビールを飲んだ。

 冷たいビールとサラミで満足した僕は、畳の上に寝転がってテレビを観るという、いかにもオッサンらしい休日の夜を過ごした後、歯磨きして布団に潜り込む。


 露店の女の子たちは、どうしているだろう?

 ウォルクリスは冷やしぜんざいを食べたかな?

 僕はそんなことを思いつつ、心地よい眠りに落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ