表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オッサンと少年の入れ替わり。オッサンは異世界で美味い料理を作り、少年は日本で無自覚に色々やらかす。  作者: BIRD


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/213

ep56:ジャックさんの氷魔法

「領主様、このスイーツを街の屋台でも売ってもらおうと思うのですが、構いませんか?」

「それは、今日から屋台を始めたマリーヌとモルガニットのところか?」

「御存知でしたか」

「当然だ。出店許可を出したのは私だからな」


 僕が伝える前に、領主様は彼女たちのことを知っていた。

 管理者だから、知っているのは当然かもしれないけれど、いいかげんな人ならすぐ忘れているだろう。

 この人、意外と真面目に仕事してるんだな。厨房に入り浸ってるイメージあったけど。

 豆の一粒残さず、汁も綺麗に飲み切ると、領主様はナプキンで口元を丁寧に拭いた。


「あの氷菓子ならば、売れるのは分かっていた。マリーヌが倒れるまで販売を続けたのは想定外だったが」

「氷菓子は、無理のない数で限定販売するよう伝えました」

「うむ、無理はいかん。氷菓子以外の物も売れば、店をもつ資金は稼げる筈だ」


 領主様は、少女たちが目指すものも知っていた。

 出店許可を出す前に、話をしっかり聞いてあげたんだろう。

 それだけじゃなく、マリーヌが倒れたことまで知っていた。

 見回りの誰かが報せたのかな?


「お前が彼女を助けたのも何かの縁だろう。イリキーヤ様のお導きと思い、屋台でも売ってもらいなさい」

「ありがとうございます。ゼンザイは多めに作りましたので、彼女たちに試食を届けてもよいですか?」

「許可しよう。ジャック、魔法で冷やして、瓶に入れてやりなさい」

「はい」


 領主様はお裾分けを許可してくれた。

 それどころか、冷やしたり瓶に入れてくれたり、なんかサービスいいな。

 この人、やはり女性に甘いタイプだ。

 っていうかジャックさん冷却系の魔法が使える?


「凍らせなくてもいいんですね?」

「はい、ひんやり冷たくなればいいです」


 ひんやりした食糧庫の中、更にひんやりした魔法が起動する。

 ジャックさんがゼンザイ入りの鍋に片手を向けると、キラキラと雪の結晶のようなものが現れて、鍋を覆った。

 いいなこれ。イメージを覚えて僕も使えるようになろう。

 僕が夢中で見ていることに気づくと、ジャックさんはフッと大人の笑みを浮かべた。


「ウォルくんもすぐに使えるようになるよ。イリキーヤ様の加護もちなんだから」

「はい、後で練習します」


 心の中に、六角形の結晶が舞う。

 イメージは掴んだ。後は練習あるのみ。

 これが使えたら、冷たい料理も作れるし。

 氷魔法を使えるようになったら、氷属性攻撃とかできるかも。

 オッサンの中二病がまた疼いてしまった。


 でもその前に、試食品のお届けだ。

 ひんやり冷たい瓶を布袋に入れてもらい、僕は城を出て診療所へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ