3話
今日も朝日が眩しい。朝が来てしまったことを再確認させられる。いっそ台風でも来てくれたら休校になるのにな。これだけ明るい晴天じゃそれは厳しそうだ。
「……起きなきゃ」
今日も学校に行かなきゃいけない。
「行ってきまーす!」
行きたくない。家から出たくないけど、家にもいたくない。これって矛盾してるようで矛盾してない人間の不思議だよね。うん。行きたくないけど、今日も元気に行ってきます、と言う。これはもうルーティーンというか、私の日課だ。絶対に怪しまれないように、今日も楽しそうと思ってもらえるように。天真爛漫で悩みがなさそうな夕菜に見えるように。
いつもの、噓の仮面を張り付けて歩く。重い足を動かして、足取りは軽そうに。スキップだってしちゃう。にこにこ笑って楽しそうに。元気なんてないけど、必死に笑顔で取り繕う。きっと、周りから見たらヘンテコなくらい明るい子に見えている。いつも笑って、ぴょんぴょん跳ねて、よく喋る子。それでいい。私の気持ちになんて、気づかなければいい。
どうせ誰も理解してくれないんだから。
私は、このあたり一帯の班の班長。低学年の子たちを引っ張っていかなきゃいけない。だから、私が悲しい顔してちゃダメ。笑顔でいないと。
「おはよー!今日も元気に行くよー!!」
笑いながら言いつつ、欠席者の確認と持ち物持った?忘れ物ない?って確認して。明るく声をかける。これがいつものみんなから見た私。暗い顔なんて一切せず、明るく能天気な班長。
これでいいんだ。きっと、これでいいんだよ。
これでほんとによかったのかな?
考えてもわかんないし、多分答えなんてないんだと思う。
だから私はいつも考えることを放棄する。自分が自分らしく生きることを諦める。
私はそんな生き方しかわからない。




