21話
流石に教室には居づらくて、保健室まで行くことにした。
終わった。終わったんだ、全部。
「っ、夕菜ちゃん!大丈夫!?どうしたの!」
あ、泣いてたからかな。保健室から出てきた綾香先生がびっくりしてる。
「綾香先生」
ずっとこわばってた頬が、緩む。安心した。
「……終わったの?」
「……はい」
「そう。偉かったわ」
ぎゅって、抱きしめてくれた。ここは私の味方だ。
「夕菜」
見上げると、大川が笑ってた。
「よく頑張った」
「っ、うん、うんっ……」
そうだよ。頑張ったんだ、私。いつも一人だったけど、耐えてきた。
ちゃんと生きてきたんだよ。
私ね、同情してほしいわけでも、私の間違いを探してほしいわけでもなかったの。
『頑張ったね』その一言が欲しかっただけだったんだよ。
私がしてきた努力が、報われる気がするから。意味のあることをしてきたんだって、思えるから。
「とにかく、ここは目立つし中に入りましょ。幸い今日は他に人いないし」
「おいで、夕菜」
「うん」
さっきまで指先が冷たくて仕方なかったのに、だんだん温度が戻ってくる。
「……大川くんは教室戻らなくていいの?」
「はい。あんな奴らと一緒の教室は、流石に……」
「それもそうだけど、勉強面もあるし……」
「綾香先生、大川」
「「なに?」」
「私は。教室行くよ」
「え、なんで」
「夕菜ちゃん。無理はしなくていいのよ」
「だって、私悪くないもん」
「夕菜……」
「ほんと、強いのね」
そうかな。そんなことないとは思うけど……まあ、環境がアレの中育ってきたのでメンタルはある程度強いのかもしれないけども。認めたくはないが。
「俺は反対だ」
「どうして?」
「まともに謝ってきたのは隆樹だけだろ。あとのやつらがなにしてくるか……!」
「あのね、大川」
「……」
「私は、ちゃんと学校で、教室で。夕菜として堂々と過ごすために謝ったんだよ」
「「どういうこと?」」




