15話
私が今日学校に入りたての頃。私の周りには、たくさんの人が寄ってきた。
同級生、クラスメイトはもちろん、他学年の人も休み時間に会いに来る人だっていたくらいだ。
私は生まれつき顔が整っていたから、友達を作ろうなんて自分からは思っていなかったけれど、勝手に人は寄ってきた。
でも、そうやってできた友達はみんな顔目当て。男子はどうやったら付き合えるか、より親しくなれるかしか考えていなかったし、女子も可愛い子と仲良くして自分の株を上げよう見たいな子が多かった。
「石橋夕菜と仲良くしておけば、周りの人よりも上に立てる」みたいな考えって言えばいいのだろうか。
みんな、私の中身なんて知ろうともしなかった。外見だけを見て、私のことを決めつけて。自分のことを上げるために必死だった。
だから、私は友達なんて信用できなかった。
そんな私の扱いは、あの日に逆転した。
友達と帰っていた、ある日のことだった。
「ねえ、そこの君。モデルやってみない?」
そんな感じで、芸能事務所にスカウトされた。国内でもかなり有名なところで、みんな知っているとこ、だと友達が教えてくれた。私は、あまり興味がなかったから知らなかったけれど。
「あの、すみませんが、私はやりません」
だって。めんどくさそうだし。やりたいと思えない。そんな考えが、私の本心だった。
そしたら、周りの子たちが騒ぎ出した。
「なら、私やってみたい!」
「夕菜ちゃんがやらないなら、私がやる!」
って。私は興味がなくて、立ち去ろうとしたのだけど、スカウトの人が見ているのは私だけ。ほかの子たちには目もくれず、私に話しかけてくる。
「きっと楽しいよ。君なら世界中で有名になれる」
「あの、私、興味ないのでやりません」
そう言っているのに、諦めないスカウトさんと、私の自称友人たち。いい加減うるさくなってきたのか、スカウトさんは言った。
「あのさ、俺はこの子を誘ってるの。君たちは、家に帰って鏡見てから言いな?」
スカウトさんから出てきた言葉は、あまりにも残酷なものだった。その時私は、こいつには絶対についていかねえと心に誓ったほどだ。
「そんな……」
「夕菜ちゃんばっかり……」
私は、めんどくさくなりそうだったので、さっさと帰った。
こんな出来事が引き金となって、私はみんなに疎まれるような存在になった。
私は、最初から友達がいなかったわけじゃない。スタートはみんなと同じ普通の少女で、それでも、些細なきっかけで。生まれ持ったもので、私はいじめられる。
このいじめは、私は何もしていない。私は完全なる被害者だ。とは、言いきれない部分がある、と思う。
私は、周りの人を信用できなかったし、優しい気を使った言葉をかけることもしなかった。周りにいる人を、大切にしようなんてしなかった。
そんな私の行動が巡り巡って帰ってきている部分があるのだと思う。だから、私は完全に被害者とは言えない。認めたくはないけど、きっとそうなんだ。
私は、あいつらが大嫌いだ。いじめなんて、なくなればいいと思う。
そんなことを考える方隅で、私ももっと人にやさしくして、人に愛されるような人になりたいと思うようになった。
それはきっと、私ひとりじゃ至らなかった考え方だ。大川と出会って、私の心はどんどん変化している。
感情が、少しずつ溶かされて戻ってきている。
それは、怖いとか辛いもきっと強く感じるようになるから、すごく、すごく怖いけれど。
私も「普通」みたいで嬉しいんだ。
私を見て、私のことを真剣に考えてくれる味方がいるから。
私は、変わりたい。
そして、素敵な女の子になれたら……大川とももっと仲良くできるかな。




