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学校への潜入調査

「はい、社長これ着てください」


「え、なにこれ」


暁が綺麗に折り畳まれた服を渡してくる。見た感じ制服のようだが


「桜花高校の制服です。社長の顔つきだと業者に変装するのはちょっと、若すぎますし」


「普通に夜とか寝込み襲えば良くない?何で制服着る必要が…」


「理由は何点かあります。まず一つが学校と自宅に潜入して、被害者たちの動画などを削除して欲しいんです。岩野を殺した後、それが世に出ることを被害者達は望まないと思いますので、もう一つが社長の標的の一人が学校に通ってるからですよ。栗原翔の妹、栗原葵が通っています。」


「そういうことか。了解した…。」


栗原は全部で3人兄弟だ。まず長男で幸三の後継者のすぐる

文武両道の完璧人間で、周りからも好かれるような好意的な人物らしい。


そして妹の栗原葵。兄二人とは対照的にとても暗い性格をしているらしい。その理由が生まれつき身体も弱く、顔に大きなアザがあり、それがコンプクレックスなのか、非常に内向的な性格をしているらしい。


関係のない兄弟を復讐対象としては見ていないが、利用はさせてもらうつもりだ。

そのために俺は顔を変え、名前を変えた。この戸籍の人間はもうすでに亡くなっている。身寄りがない自殺者の戸籍を盗み、その人間に顔を変え、名前も変えた。

今の俺は松前颯ハヤテだ。


さて潜入調査といくか。


一一一一


花火の手配で俺は転校生として、桜花高校に入る事になった。

勿論クラスは栗原の妹、栗原葵がいるクラスだ。

ここで俺は葵の信頼を勝ち取り、栗原の家に近づく事が目的だ。


「まさかこんな形で高校に通う事になるとはな」


まずは栗原の妹の件は置いといて、変態教師の岩野の問題を片付けないとな。

花火の話によると、動画などの証拠データは調査班を家に忍び込ませて探らせたが、見つからなかったことから、常に身に付けてる可能性が高いということだ。

部活や授業の最中、持ち物を物色すればいいか。


学校に着くと、職員室に向かい、担任に挨拶を済ませた。


「こんな時期に転校なんて大変だな。」


「両親の都合なので、仕方ないですね。早く馴染めるように頑張ります。」


「そうだな。とりあえず呼んだら教室に入ってきてくれ。」


担任はそう言うと、一足先に教室に入って行った。自己紹介なんてする機会もそんなにないし、やばい緊張してきた。とりあえず不自然がないようにしないと


「今日から、転校生がうちのクラスに入ってくるぞ。両親の仕事の都合でこんな時期に転校になってしまったそうだ。みんな大変だと思うからサポートしてあげてくれ。」


「「「はーい」」」


「よし、じゃあ入ってきてくれ」


教室から担任の呼ぶ声がして、俺は緊張をほぐすために深く深呼吸した。

教室に入るとクラスメイトの視線が俺に突き刺さる。益々緊張してきた…。


「初めまして、松前颯と言います。仲良くしてくれたら嬉しいです。」


シーンと教室が鎮まりかえった。シンプルすぎたか、もうちょっと趣味とかを言った方が良かったかと思っていると


「「「キャー」」」


女子たちの黄色い歓声のようなものが響いた。


「え、やばいんだけどめちゃかっこいい」

「颯くんって名前も素敵なんだけど」

「身長高くない。アイドルみたい」


今の俺は男の俺から見ても確かに美形だ。栗原に正体を勘付かれるのを避けるため、戸籍を奪った男の子に顔を変えたからだ。こんなイケメンに生まれて、彼はなぜ自殺を選んでしまったのだろうか。


「みんな静かにしろー。質問とかはまた後でな。それじゃ松前の席は窓側の一番後ろが空いてるからそこに座ってくれ」


「わかりました。」


担任に言われた通りに、窓側の一番後ろの席に座る。栗原葵と近くの席にはなれなかったな。さてどうやって近づこうか。


「松前くん宜しくね。私宮村弥生だよ。」


「え、弥生?!」


調査が足りないぞ、花火のやつ…。


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