最初のターゲット
俺が立ち上げた復讐代行組織の名前は
骸。
名前の通り被害者の恨みを晴らし、屍を積み重ねていく意味でつけた。
組織の入会条件は自身、家族、もしくは友人など事件や事故の被害者であることだ。
今は約10人ほどのメンバーが在籍し、実行役や花火のようなサポート役に分かれている。
花火は家族を強盗に押し入った男に殺された。花火が遊びから家に帰った時、家族はみんな死んでいたという。失意の中、橋の上から身を投げようとしたところを俺が助けた。
そして、最初の復讐代行の相手が花火の家族を殺した相手だった。
それはまた別の機会に話をしよう。
俺は部屋の照明を消すと、スクリーンにリモコンを向けた。花火が纏めたターゲットの調査結果が表示される。
「今回のターゲットは岩野寿郎48歳。桜花高校の体育教師だ。桜花高校は女子バスケットボールの名門校で岩野はそこの監督している。今回の依頼者は岩野にレギュラーを落とすと脅され、性的暴行を繰り返された元女子部員だ。依頼者はトラウマから、PTSDなど複数の障害を抱え、今も苦しんでいる。」
「私が調べたところによると、被害者は依頼者だけではなく、何人もいるみたいっすね。女の敵っす!まじで腑が煮えくりかえるっす。」
「社長、ターゲットのことはわかったんですが、実行役はもう全て他の仕事で出払っていて、空いてるのが、サポートの私と花火しかいないんですけど、花火は運動神経悪いし、弱いんで、私がやりましょうか?」
今声を上げたのが、花火と同じサポート役の美島暁だ。彼女の仕事は主に資材調達などの事務方の作業を行なっている。
彼女は、以前あった有名政治家が家族を車で轢き逃げした事件の被害者だ。その事件は俺のケースと似ており、スケープゴートが後日出頭し、その政治家は裁かれなかった。
俺が暁の依頼を受け、政治家を殺して、彼女はそこから俺たちの仲間になった。
「いや、俺がやる。お前らはあくまでサポートだからな。危険な目には合わせられない。」
「社長…ますます惚れ直したっす!んーちゅきちゅき」
「わかったから、離れろ!」
花火が抱きついてきて、胸に顔をすりすりと擦り付けてくる。出会った時はトゲトゲしてて、かなり攻撃的だったのに凄い変わりようだ。
「さてはじめようか。」




