忍び寄る魔の手
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次の日の夜、根岸がまだ家に帰ってないことを知らされた栗原たち。根岸の親が仲が良い栗原の家に電話をかけていたが、栗原は見当もつかなかった。
自分の命令で涼介に嫌がらせをしているはず、必ずこの件に何か絡んでいると栗原は考えたが、証拠がない。
「くそ!絶対あいつが何か絡んでるはずなのに」
「俺がぶっ飛ばしてきてやろうか?」
ぼきぼきと拳を鳴らしながら、中学生にして身長180センチの巨体を持つ我妻大吾は言う。
「ただでさえ警察が動いてるんだから、今そんな問題起こしたら大吾が疑われるだろ。」
同性でも見惚れてしまうような現役アイドルの天童司。爽やかなその笑顔の裏は栗原たちと組んで、やりたい放題をやっている。
「じゃあどうすんだよ」
「俺のファンの女達使ってさ、ちょっとやりたいことがあるんだよね」
「何だよ。詳しく聞かせろよ司」
「まあ楽しみにしてろよ。高原を学校にいられなくしてやるからさ」
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「とまあ、このまま黙ってるあいつらではないと思う」
『そうだね。ただこのペースでことを起こすのは少々リスクがあるのではないかい?』
「そうだな。警察の情報は金で買った協力者から逐一入れるようにしてるが、今のところは俺に結びつく手掛かりは得ていない。ただ角田と根岸が同じ学校に通う予定だったということで、少なからず関係性を疑ってるものもいる。」
『というかそんだけお金があるんなら、復讐も全部プロに任せれば安全だろうに』
「これは俺の復讐だ。誰にも渡したりはしない。」
天使は周りの空気がピリつくのを感じた。生者にこんなことを今まで感じたことないが、この少年に恐れを感じていた。
「こんな話してたらむしゃくしゃしてきたな。ストレス解消に久しぶりにあれやるか」
『あれってなんだい?』
「ヤンキー狩りだよ」
両親が海外旅行に行ってるため、深夜の出入りも自由の涼介はヤンキー狩りと評したスキル上げを行っていた。ただスキルをある程度上げ終わったためその必要は無くなったため、暫くやめていた。
ただヤンキー狩りの噂が広まったせいで、街は溜まっているヤンキーはあまりおらず、人通りの多い場所には数人柄の悪い人間はいるが、さすがに人通りの多い場所で襲うのは不味かった。
まずはトレードマークの仮面をつけずに街を闊歩する。ただ防犯カメラが街にもあるので、念のためパーカーに身を包んだ。
「さて、ヤンキーはどこかなー?」
「てめぇ、やめろよ!」
薄暗い路地の奥から、女の子の声が聞こえる。口調からして、ヤンキー口調だが、痴話喧嘩ではなさそうだ。
涼介が路地の奥へと向かうと、金髪のいかにもギャルという見た目の少女が
男数人に囲まれていた。
「おい、嫌がってるだろ?はなしてやれよ。」
「お前関係ないだろぉ!!お前みたいな弱そうな奴が来ても怪我するだけだから、帰れよっ。帰れ…っ」
金髪の少女は涼介のとても強そうに見えない見た目に巻き添えにするわけにはいかないと、必死に涼介を帰そうとする。
「大丈夫だよ。待ってて」
まずは女の子を抑えている男を一人。強烈なストレートでノックダウンさせると、周りの男達も何人も息もつかせず全員片付けた。
一人のガタイがいい男だけは1発のパンチでは沈まなかったため、追撃する。
「このスキル試したかったんだよな。正拳突き!」
それはただの拳での突きでしかないが、ある漫画の達人の正拳突きは音も置き去りにする強烈な一撃となる。
男の巨体かま浮かび上がり、そのままゴミ置き場に突っ込んだ。
「大丈夫か?怪我はない?」
「ヒック…何でお前…私なんかの為に…」
「こんな可愛い子が困ってたらほうっておけないだろ?ほら、ハンカチで汚れ拭いて」
「か、可愛いくねぇよ!」
「じゃあ気をつけて帰れよー!」
「待っ…」
少女が何か言い終わる前に涼介はその場から離れた。ヤンキーを狩る目撃者をこれ以上増やしたくなかったためだ。少女がいる手前、仮面をつけられなかった。顔を隠しながら走っていった。
「なんなんだあいつ…。」




