二人目②
あれから大分長く車は走っているみたいだ。ただ窓は中から外の景色が見えない構造らしく、真っ暗なままだった。
「俺に手を出してみろ!翔ちゃんが黙ってないぞ!」
小さい頃から使っている魔法の言葉。これで大体の人間は俺に頭を下げてきた。まるで自分が強くなったかのように感じられた。
「じゃあ呼べばいいじゃん?呼べたらね。」
翔ちゃんなんて少しもこいつは恐れてない。暫くすると車は止まり、降ろされ、山奥の道がない場所に辿り着いた。
立ち入り禁止の看板があり、そこの扉の鍵を髙原が外していく。
高原の指示で動いている男たちに連れられ、扉を抜け、樹海の奥に連れられていく。
「さぁこの辺でいいだろう。」
男たちが僕の体を抑えつけ、近くにある巨木に縄で僕をくくりつけた。何をするつもりかわからず、恐怖でそれを聞くこともできない。
「助けてくれ!殺さないでくれ」
高原は僕の言葉を無視して、僕の着ていた服を剥ぎ取っていく、そしてバケツいっぱいに入っている黄色い何かを僕の体に塗っていく。
「何をしてるんだ!何をぬってるんだ」
「ん?お前虫好きじゃん?だからさ、こうやってはちみつ塗ってればお前のだーいすきな虫が寄ってくるだろ?」
「やめろ!誰にも言わない!それに山道でも道路があるんだから、誰か通るぞ。それにさっき私有地って書いてあったし」
「あ、これ俺が買った土地だからさ、俺以外誰もこないんだよ。あ、でも熊とかは来るかも!」
「え、なんて‥山なんて買えるのか‥」
「買えるんだよ実は。しかも何もない山だし、結構安く買えたわ。じゃあ楽しんでってね?」
「やめろ!置いてかないでくれ!やめろおおおおお!」
こいつを敵に回したのが悪かった。翔ちゃん逃げてくれ、俺達が敵う相手じゃない。
「今回は殺すんですかい?」
「あいつは外に出しといたら危ないやつだからね。それにあいつを殺すのは虫か熊かそれとも空腹か、俺ではないよ。本当はこんな早く動くつもりじゃなかったのに、あいつが不審な動きしてたから、本当に想定外だ。」
「まあ俺らは金さえ貰えば何でもやりますよ。」
「助かるよ。両親は俺のプレゼントした長い旅行へ行ってていないから、今日は焼肉でも食べに行こうか。急な依頼を受けてくれたからね。俺の奢りだよ。」
「まじっすかい。喜んで。」




