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第11話:旧権力者の蠢動と、裏の金融封鎖

【前書き】


お読みいただきありがとうございます! 作者です。


ちなみに、最近は犯罪者にとって非常に都合のいい「暗号資産」などというものが世の中に出回ってきましたね。今のところ投機的資金という見方が大きく、単なる値上がり益(キャピタルゲイン)狙いなだけの様相を呈していますが、今後どうなるのかは全く分かりません。

いったいどのような方々がこうした投機的資金や裏の資金に群がるのか……概ね予想がつきますよね。


実体のないマネーや不透明な資金循環で甘い汁を吸い、世界を裏で支配しようとする人々。

第2章では、そうした「目に見えない金融の罠や格差の構造」に対して、ワタルたちがDWASの絶対的テクノロジーでメスを入れていきます!


それでは、新たなステージへ突入する第11話をお楽しみください!

### 1. 闇のサロンと『国際金融格差の罠』


ヨーロッパ某国の山奥深くにひっそりと佇む、歴史ある古城。

外部の電波を完全に遮断された地下の重厚な会議室に、世界を裏で動かしてきた「旧時代の指導者たち」が集っていた。


大国の大統領代理、過激派国家の最高指導者、軍需産業の最大手CEO、そして実体性のない暗号資産や投機市場を操作して世界の富を吸い上げてきた国際金融資本の最高幹部たちである。


「……信じられん。我々の主砲も、ミサイルも、核兵器すらも、あの『アウロラ』なる謎の船から放たれる波動によって無力化されただと!?」


かつて世界に巨大な影響力を誇っていた老政客が、怒りに震える手でテーブルを叩いた。


「兵器が使えんとなれば、我々の権力や軍制は崩壊したも同然だ。各地の軍閥や兵士どもは、あのアウロラが無償で提供する食料と医療、そして『全員が豊かになれる』という甘い言葉に酔いしれ、銃を捨ててしまった!」


「ふん……愚かな」


暗闇の奥から、冷酷な笑みを浮かべた男——世界最大の金融ファンドと暗号資産ネットワークの裏側を束ねる金融界の巨頭が、静かにグラスを傾けた。


「兵器という『力』を失ったのなら、別の力で奴らを追い詰めればいい。人類が数千年間逃れられなかった絶対の鎖……『お金(マネー)』の力だ」


「お金だと……? だが、奴らはあらゆる物質やエネルギーを空から無償で錬成・散布しているのだぞ? 水も食料もタダになった世界で、通貨に何の意味があると言うのだ!」


「くっくっく……浅はかだな、大統領」


男は不敵に目を細めた。


「彼らがどれほど物質をタダでばら撒こうと、現在の世界社会は『法定通貨(Fiat Money)』と『国際銀行決済網(SWIFT)』、そして我々がコントロールする投機的資金や暗号資産の市場ルールで動いている。彼らの行っている無償供給を『世界経済を混乱させる違法なテロ行為』と規定し、彼らに関わる人間や企業の資産を世界規模で凍結・封鎖してしまえばいいのだ」


男は手元の端末を操作し、暗号化された世界金融ネットワークへと指示を飛ばした。


「四条亘という日本の少年、そして彼に協力するヴァイスマン一家……。彼らを『国際金融テロリスト』に指定する。どれほど圧倒的な兵器を持っていようと、社会的な金融システムから抹殺されれば、彼らは一歩も経済活動ができない。富と格差のシステムを脅かす生意気な小僧に、世界の『仕組み』の恐ろしさを教えてやるのだ」


---


### 2. 四条邸への金融襲撃と、旧権力者の工作


——その頃。日本の埼玉県川口市にある四条邸。


父と兄が膨大な研究機材を残した広大な『研究棟』のオペレーションルームで、四条亘は実体化AIルナとともに画面に躍る不穏なデータを見つめていた。


『マスター・ワタル。緊急警告です。四条家の保有するすべての銀行口座、ならびに四条エンジニアリング株式会社の法人口座に対し、国際決済機関および金融庁より同時に『口座凍結』および『取引停止措置』が実行されました』


「な……なんですって!? ワタルさんの口座が凍結された!?」


アウロラのブリッジから、サブモニター越しにアリアーナが驚愕の声を上げた。


「ワタル殿! どういうことだ!? 軍事的な攻撃はアウロラとDWASバリアで完璧に無効化されているはずだぞ!」


ロベルト・ヴァイスマン大佐(40)も険しい表情で前に進み出る。


『ええ、ロベルト大佐。彼らは「物理的な攻撃」を諦め、「社会的なシステム攻撃」へと切り替えてきたんです』


亘は冷静にコンソールを操作し、世界中で巻き起こっている金融工作の全容を可視化させた。


『世界を裏で牛耳っていた旧支配者たちが、自ら所有する巨大メディアや金融ネットワークを動かしています。俺たちが地球上の紛争を止め、無償で食料や医療を配ったことを「世界市場を破壊し、ハイパーインフレを引き起こす非合法な経済テロ」だとプロパガンダ報道させているんです』


「そんなのおかしいよ!!」


スカイブルーのユールスーツ姿のユーリアが、小さな拳を握り締めて叫んだ。


「ワタル先輩は、お腹をすかせた人や傷ついた人たちを助けただけなのに! どうしてお金を凍結したり、悪い人扱いするの!?」


『彼らにとっては、人々が貧困や格差から解放されること自体が「都合が悪い」からだよ、ユーリア』


亘は静かに、けれど絶対に揺らがない瞳で画面を見つめた。


『彼らは、実体のない投機資金や暗号資産の価格を釣り上げ、富を一部の特権階級に集中させることで、人類を「お金の奴隷」として支配してきた。食料やエネルギーが無償で全員に行き渡ってしまえば、誰も命がけで借金を返したり、不当な労働に耐えたりしなくなる。彼らが誇る『支配の根幹』が崩れ去ってしまうんだ』


「くそっ……! 銃や爆弾ではなく、社会の仕組みそのものを武器にして襲いかかってくるとは……! なんという陰湿で卑劣な連中だ!」


ロベルト大佐が悔しそうに拳を握り締め、テーブルを叩いた。


---


### 3. 『DWAS資本主義バグ書き換え』作戦の始動


「四条さん……口座が凍結されてしまっては、日本での生活や、研究棟の維持、資材の調達などにも支障が出てしまうのでは……?」


アリアーナが心配そうに尋ねる。


『ふふ、心配いりませんよ、アリアーナさん』


亘はふっと柔らかい笑みを浮かべ、デスクの上から一枚の眩いゴールドとルビーの輝きを放つDWASチタンカード——【Global Economic System Rewrite & Absolute Wealth Realization】を取り上げた。


『彼らは大きな誤解をしています。彼らが後大事に抱え込んでいる「法定通貨」や「暗号資産」「株式や債券」なんてものは、人類が勝手に取り決めたただの「デジタル数字の約束事」に過ぎません』


亘はカードを指先で軽やかに一回転させた。


『カードデッキ一枚さえあれば、俺たちは地球上のどこにでも手ぶらで瞬時に移動でき、全長700mの巨大母艦アウロラすら指先ひとつで顕現させられる。物理的な物質も、無限のクリーンエネルギーも、すべて真理の計算一つでタダで生み出せるんだ。……彼らの「お金というローカルなルール」に付き合う必要なんて、最初からどこにもないんですよ』


「ワタル殿……! ということは……!?」


ロベルト大佐の瞳に、再び熱い光が宿った。


『ええ、大佐。武力による戦争を消し去った次は……人類を何千年も縛り付けてきた「資本主義の構造的バグ」と「貧困を生み出す金融システム」そのものを、DWASの圧倒的テクノロジーで書き換えます!』


「ルナ! DWASチタンカード【Global Economic System Rewrite】、DW-QCSのメインスロットへセット! 地球全土の金融ネットワークおよび経済情報網に対し、高次元スピン上書きプログラムの第一段階を起動しろ!」


『了解しました、マスター・ワタル。世界銀行、主要中央銀行、ならびに国際金融決済網への高次元同調プログラムをセットします』


キーーーーーーン……!!


四条邸の研究棟から放たれた金色の幾何学波動が、アウロラの主機DWASジェネレーターを経由して、地球上の全金融サーバー、暗号資産ブロックチェーン、そして国際決済ネットワークへと瞬時に浸透していった。


---


### 4. 旧支配者たちの驚愕と、新時代への幕開け


ヨーロッパの古城の地下会議室。


「な……なんだ!? 一体何が起きている!?」


金融界の巨頭が、手元のホログラム端末に表示された異常な数値を見て悲鳴を上げた。


彼らが四条亘やヴァイスマン一家の資産を凍結しようとした瞬間、金融ネットワーク全体のアルゴリズムがDWASによって書き換えられ始めたのだ。


「全世界の中央銀行の国債、ならびに我々が裏で操作していた暗号資産や投機ファンドのデータが……すべて『価値が完全に平坦化』されていく!? 評価額の操作や、空売りによる利益誘導が一切不可能になっているぞ!?」


「バカな!? 我々が独占していた莫大な裏資産が……世界中の全人類の個人口座へ『均等な絶対基礎資産(ベーシック・リソース・クレジット)』として自動無償分配されているだと……!?」


「ひ、ひえぇぇぇっ!? 支配権が……我々の金融支配システムが、内側から乗っ取られている!!」


かつて世界を裏で牛耳り、富と格差の頂点に君臨していた旧支配者たちが、泡を吹いてその場に崩れ落ちた。


暴力で人を従わせることができなくなった世界で、最後の手がかりだった「お金による支配」すらも、DWASの圧倒的な物理と情報の真理の前に、ただの「無意味な数値」へと変えられていったのだ。


◇


「すごいや、ワタル先輩……! ヨーロッパやアメリカの悪いお金持ちたちが使ってたコンピュータが、全部『世界中の人たちに温かいご飯とお家を配るシステム』に変わっちゃったんだね!」


アウロラのブリッジで、ユーリアが画面を見つめながら大喜びで跳ね回った。


「ええ……。富を一部の人々が独占し、他者を貧困に突き落とすことで成り立っていた不平等な仕組みが、根本から修正されましたわ」


アリアーナも感無量の表情で胸を打たれていた。


「ハハハ! 見事だ、ワタル殿! 武力を奪われ、今度はマネーによる支配すら打ち砕かれた旧権力者どもは、もはやぐうの音も出まい!」


ロベルト大佐が大笑いしながら、力強く頷いた。


『皆さん、ありがとうございます。ですが……これはまだ、第2章のほんの始まりに過ぎません』


四条邸・研究棟で、亘は静かにコンソールを操作し、地球の外側——月、火星、そして広大な太陽系全域のホログラム宇宙図を表示させた。


『地上の構造的バグが修正され、地球上の全人類が真の意味で貧困と搾取から解放された今……人類の活動領域は、狭い地球の泥沼から、広大な「太陽系」へと進出する準備が整いました』


「太陽系進出……! つまり、月や火星に、誰もが安全で豊かに暮らせる新しい都市を作るということか!」


『ええ、ロベルト大佐。DWASカードの真の力を使えば、月面や火星上に超巨大な人工テラフォーミング都市や、人口巨大惑星『アーク・ノヴァ』すら瞬時に具現化できます。……奪い合う時代を完全に終わらせ、無限の宇宙へと人類の可能性を広げるんです!』


「よし! どこまでもついて行こう! ヴァイスマン一家とアウロラが、ワタル殿の拓く新たな銀河への道を完璧に警護してみせる!」


「うん! 私、お月様やお星さまの街で、世界中のお友達とたくさん遊ぶんだから!」


地球上の歪んだ支配構造を打ち砕き、全人類の未来を無限の宇宙へと解き放つ——。

四条亘とヴァイスマン一家の新たな無双と進撃の物語【第2章:支配構造の是正と太陽系進出編】が、今ここに力強く幕を開けたのだった!

【後書き】


第11話をお読みいただき、本当にありがとうございました!


前書きでお話しした「暗号資産や投機資金に群がり、裏で不当な富と支配を貪る人々」に対し、ワタルたちが『DWAS資本主義バグ書き換え』で圧倒的にメスを入れる第2章の開幕回をお届けいたしました!

物理的な兵器を奪われ、社会的な金融システムで工作しようとした旧権力者たちが、DWASの真理の力の前に手も足も出なくなっていく爽快感、お楽しみいただけましたでしょうか。


次回第12話では、地上の支配構造から完全に解放された人類の新たな拠点として、月面への超巨大テラフォーミング都市の具現化と、太陽系全域への圧倒的進出を描いてまいります!


もし作品を面白いと思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価(★★★★★)で応援していただけると非常に大きな執筆の励みになります! 次回第12話もどうぞお楽しみに!

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