↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/62

Episode 54「森の記憶」

フィルノアの森を進んでいたリトたちは、小さな川のそばで馬を止め、少し休むことにした。


リトが川の水で顔を洗っている横で、セラは森の奥を見つめていた。


「……この辺り、前とは違うね」


リトが顔を上げる。


「ああ。遺跡に行った時とは道が違うな」


グラフが荷物を下ろしながら言う。


「今回は遺跡じゃない。泉へ直接向かってるからな」


「そっか」


セラは木々の間に続く道を見た。


「前に泉へ連れて行かれた時も、ずっと馬車の中だったから……どの道を通ったのか覚えてないんだ」


「俺はもう、どの道でも十分遠いけどな」


「リトは文句言いすぎ」


「セラまで言う?」


二人が笑う。


「ほら、そろそろ行くぞ」


グラフの声に、リトは立ち上がった。


「もう?」


「休みすぎると日が暮れる」


「はいはい……」


四人は再び馬を進めた。


──


しばらくして。


先を進んでいたグラフが、ふと馬を止める。


「どうしたんだい?」


オソノが聞く。


「……いや」


リトも後ろを見る。


「何かいる?」


森の奥には、何も見えない。


風に揺れる木々の音だけが聞こえていた。


グラフは後方を見つめたまま言う。


「少し急ごう」


「え?」


「日が暮れる前に、できるだけ進んでおきたい」


グラフは再び馬を進めた。


オソノは一度だけ後ろを振り返り、リトとセラもその後に続く。


静かな森の中を、四人は願いの泉へ向かって進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。