51/63
Episode 50「迫る影」
──同じ頃──
タリアへ続く街道を、セディルの精鋭部隊が駆けていた。
その先頭を走るのはセディル。
後ろには、選び抜かれた兵士たちが続いている。
一人の兵士が馬を寄せた。
「セディル殿下!このまま進めば、明日にはタリアへ入れます!」
「遅い」
セディルは前を向いたまま答えた。
「日が落ちても進め」
「しかし――」
「聞こえなかったのか?」
兵士は口を閉じた。
セディルは手綱を強く握る。
セディルの馬には、一つの鞄が括りつけられていた。
中にあるのは、あの白銀のローブ。
タリアから届いた書状には、セラフィーヌが願いの泉へ向かうと記されていた。
「急げ」
セディルは馬をさらに走らせる。
精鋭部隊も、その後を追った。




