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Episode 46「密告」

──リトたちがタリアへ戻った日の夜──


タリア王宮。


城内が静まり返る中、セラの継母は一人、自室にいた。


机の上には、一枚の紙が置かれている。


継母は筆を取った。


――セラフィーヌ王女、タリアへ帰還。


――願いの泉へ向かう意思あり。


書き終えると、継母は自らの印章を押した。


紙を折り畳んだ、その時だった。


扉が小さく叩かれる。


「入って」


姿を現したのは、一人の男だった。


継母は紙を差し出す。


「これをセディル殿下に」


男が受け取る。


「誰にも知られないように」


「承知しました」


男は頭を下げ、部屋を出ていった。


継母は窓の外へ目を向けた。


「今さら戻ってきて……」


──


数日後。


ナパラへ向かって進軍していたリズマール軍。


野営地の天幕へ、一人の兵士が駆け込む。


「セディル殿下、ご報告が」


「なんだ」


兵士が書状を差し出す。


「タリアからです」


書状には、見覚えのある印が押されていた。


セディルはそれを確認すると、書状を開いた。


「……セラフィーヌがタリアに戻った?」


さらに読み進めた、その時だった。


セディルは突然立ち上がった。


「願いの泉……」


「ナパラへの進軍はそのままに、精鋭部隊を集めろ」


「はっ!」


セディルは書状を強く握りしめた。


「俺は願いの泉へ向かう」


その口元に、薄い笑みが浮かぶ。


「何か見つけたか……セラフィーヌ」

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