Episode 41「王女の決意」
廊下の向こうから、慌ただしい足音が近づいてくる。
「セラ……?」
聞き覚えのある声に、セラが振り返った。
そこには、弟を追ってきた父王と継母が立っていた。
「お父様……」
父王はセラの姿を見るなり、安堵したように息を吐く。
「無事だったか……」
セラが頷く。
だが、その隣で継母の表情が険しくなった。
「今までどこにいたの!」
「……ごめんなさい」
「あなたがいなくなってから、どれだけ大変だったと思ってるの!リズマールの兵は押し寄せてきて、街の人たちは怯えてるのよ!」
セラは俯いた。
「謝って済むことじゃないでしょう!」
継母の声が廊下に響く。
「あなたが王女として、ちゃんとやらないから!」
セラは唇を噛んだ。
「……だから!」
継母の言葉を遮る。
セラが顔を上げた。
「だから、逃げずに戻ってきたの!!」
廊下が静まり返った。
セラは継母をまっすぐ見つめた。
「私に何ができるのか、まだ分からない。でも……今度は自分で決めて、ここに戻ってきたの!」
父王が尋ねる。
「これから、どうするつもりだ?」
セラは父王を見た。
「もう一度願いの泉へ行きます!」
「お祖母様が残してくれた伝承の、本当の意味を確かめたい」
セラはまっすぐ父王を見る。
「今度は、誰かに言われたからじゃない」
一度、息を吸う。
「自分で決めたことです」
父王はしばらくセラを見つめていた。
やがて、小さく頷いた。
「……そうか」




