↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/61

Episode 30「再会」

バンリとタゴスは、リズマール軍の詰所を訪れていた。


受付の兵士に名前を告げると、しばらくして奥から一人の男が現れた。


男はタゴスの顔を見るなり、足を止める。


「……タゴス?」


タゴスがニッと笑った。


「久しぶりだな、ガルド」


「お前……生きてたのか」


「勝手に殺すな」


ガルドは呆れたように笑うと、タゴスの肩を叩いた。


「何年ぶりだ」


「さあな。数えるのも面倒なくらいだ」


「相変わらずだな、お前は」


ガルドはバンリを見る。


「そっちは?」


「バンリだ。俺のところで働いてる」


バンリが軽く頭を下げた。


──


バンリとタゴスはガルドに案内され、詰所の奥にある小さな部屋へ入った。


タゴスが椅子に腰を下ろす。


「街を見た。ずいぶん酷いことになってるな」


ガルドの表情が曇る。


「セディル殿下が軍を動かし始めてから、一気に変わった。タリアだけじゃない。周辺国も警戒している」


「ナパラにも降伏を求める書状を送ったって話は本当なのか?」


「ああ」


ガルドは小さく息を吐いた。


「しかも、ナパラへは本格的に軍を動かすつもりらしい」


バンリが顔を上げる。


「ナパラへ?」


「兵の移動が始まっている」


タゴスの表情が険しくなる。


「やっぱりか……」


ガルドは二人を見た。


「それで、お前たちは何をしにここまで来た?」


タゴスはガルドをまっすぐ見る。


「ナパラを戦場にさせたくねぇ」


「お前なら、何か知ってると思ってな」


ガルドはしばらく黙っていた。


「レオル殿下も、このままではいけないと考えている」


バンリが聞き返す。


「第一皇子?」


「そうだ」


ガルドが頷く。


「セディル殿下を止める方法を探している。だが、皇帝陛下が動かない以上、簡単には手を出せない」


その時、扉が叩かれた。


「ガルド様」


一人の兵士が入ってくる。


「報告があります」


ガルドが頷く。


「話せ」


兵士が声を落とした。


「ナパラ方面へ向かう部隊が、まもなく出発するとのことです」


バンリの表情が変わる。


「もう……?」


「はい。出発は近いかと」


タゴスが拳を握る。


「急いだ方がよさそうだな」


ガルドはしばらく考え込んだ。


そして兵士を見る。


「レオル殿下にお伝えしてくれ。至急、お会いしたいと」


「分かりました」


兵士が部屋を出ていく。


タゴスがガルドを見る。


「どうするつもりだ?」


ガルドの目が鋭くなる。


「レオル殿下に進言する。セディル殿下の動きを止めるなら、今しかない」


バンリは黙って二人を見つめていた。


ナパラへ向けて、戦争の足音は確実に近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。