↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/62

Episode 28「それぞれの思惑」

──リズマール王宮──


セディルは窓の外を眺めながら尋ねた。


「ナパラへ降伏を求める書状は送ったか?」


「はい。ただ、まだ返答はないようです」


セディルは苛立ったように机を叩いた。


「くそっ!ナパラごときが、この俺に抗うつもりか!」


──


夜。


バンリとタゴスは、食堂の隅で遅い夕食を取っていた。


バンリがパンをちぎりながら尋ねる。


「明日はどうするんだ?」


「軍の詰所へ行く」


「前に言ってた昔の仲間?」


「ああ。ガルドって男だ。俺が軍にいた頃の戦友だ」


「まずは詰所を当たるのか」


「ああ。今も軍にいるかは分からねぇが、他に手掛かりがねぇ」


タゴスはスープを口に運んだ。


「ガルドは第一皇子、レオル殿下側の人間だ」


「レオル?」


「セディルの兄貴だ。身体は丈夫じゃねぇが、弟とはまるで違う。争いを好まねぇ、心の優しい男だ」


バンリが少し考える。


「その人なら、セディルを止められる?」


「分からん。だが、今のリズマールで頼れるとしたら、そこしかねぇ」


タゴスはパンをちぎりながら、ふと思い出したように言った。


「そういや、リトたちから何か連絡あったか?」


「いや、何も」


「そうか」


バンリはパンをちぎりながら、少し考える。


「あいつら、白銀のローブのこと分かったかな?」


「さあな」


バンリは手元のパンへ目を落とす。


「タリアの伝承って、結局ホントなのかな?」


タゴスはスープを口に運んだ。


「あのお嬢ちゃん、まだ願いを諦めてねぇんだろ?」


「たぶん。だからリトも一緒に行ったんだと思う」


バンリは少しだけ視線を落とした。


「リトたち、今頃何してるんだろ?」


二人は気づいていなかった。


少し離れた席で――


その会話に、聞き耳を立てている者がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。