修行?
セレスは、訓練場の端に座っていた。昼下がり。第一部隊隊舎の訓練場では、いつものように誰かしらが体を動かしている。
バルトは遠くで石の重りを担ぎながら、何か暑苦しいことを叫んでいた。ゴードがそれを静かに見守っている。ルカは新しい短剣の感触を確かめるように、短い距離で抜き差しを繰り返していた。
ノルは長銃がないため少し手持ち無沙汰そうに、指を銃の形にして旋風魔法の弾道を確認している。アルドは新しい剣を振っていた。一振りごとに、緋色の筋がかすかに光る。
レイスは少し離れた場所で本を片手に、雷と水を細く絡める練習をしていた。ルシアンは隊舎の中で治療道具の整理をしているらしい。みんな、それぞれ何かがあった。
アルドには新しい剣がある。ノルには新しい長銃の製作が始まっている。ルカにはエディンに選んでもらった短剣がある。
レイスは複合魔法に踏み出している。ルシアンは指輪の力で支援と治療の幅が広がった。バルトは相変わらず拳が強い。
ゴードは盾が堅い。エディンは、そもそも底が見えない。セレスは、自分の手を見た。水流魔法は使える。短剣も扱える。
支援もできる。戦えないわけではない。むしろ、平均よりずっと戦える。
でも。
「……私って、何が一番強いんだろ」
小さく呟いた。誰にも聞かせるつもりはなかった。
「何の話かしらぁ」
背後から声がした。セレスは肩を跳ねさせた。振り返ると、エディンが立っていた。いつからいたのか分からない。いつも通り、飄々と笑っている。
「エディンさん……びっくりしました」
「ごめんなさいねぇ。悩める乙女の気配がしたものだから」
「悩める乙女って、何ですか」
「違うの?」
エディンが隣に座る。セレスは少し迷った。けれど、誰かに言いたい気持ちもあった。
「……最近、みんな変わってきてるでしょ」
「そうねぇ」
「アルドは新しい剣。ノルは新しい銃。ルカは短剣。レイスは複合魔法。ルシアンは指輪。みんな、自分の強みがはっきりしてる」
「セレスちゃんも、十分強いわよぉ」
「ありがとうございます」
セレスは膝の上で手を組んだ。
「でも、突出したものがないっていうか。私は何を伸ばせばいいのかなって」
エディンは真剣な顔で頷いた。
「なるほど」
「エディンさんから見て、私ってどう見える?」
「綺麗」
「そういうのじゃないです」
「気配り上手」
「戦闘面でお願いします」
「姿勢がいい」
「だから、そうじゃないですって」
セレスが少しだけ眉を寄せる。エディンはにこりと笑った。
「分かったわ」
「本当です?」
「ええ。セレスちゃんに今必要なもの」
セレスは思わず背筋を伸ばした。
「何?」
エディンはゆっくりと立ち上がった。そして、真面目な顔で厳かに言った。
「日常動作の洗練よ」
沈黙。訓練場の向こうで、バルトの「腰抜くなよ兄弟!」という声だけが響いた。
セレスは数秒、エディンを見つめた。
「……日常動作ですか?」
「そう」
「私、戦闘面の相談をしたんですけど」
「戦闘も日常も、根は同じよぉ」
「本当です?」
「ええ」
エディンは胸に手を当てた。
「美しく歩く。迷わず手を伸ばす。相手の動きを見る。先回りして場を整える。無駄な動きを削る。これができるようになれば、戦いの場でも美しく、軽やかに、確実に動けるようになるわ」
セレスは目を細める。
「美しく、軽やかに、確実に……」
「そう。セレスちゃんは水流魔法を使うでしょう? 水は乱れれば濁る。でも流れが整えば、静かに、速く、強くなる」
「……なるほど」
セレスの表情が真剣になる。エディンはさらに続けた。
「料理、整理、所作、気配り。全部、段取りと観察と手順の修業よ。戦場で必要なものばかり」
「たしかに、段取りも観察も大事ね」
「でしょう?」
「でも、料理や整理まで?」
「戦場で仲間が何を必要としているか、敵が次にどう動くか、どうすれば場が乱れないか。それを読む力は、日常の中で鍛えられるわぁ」
セレスは納得しかけていた。いや、かなり納得していた。エディンは自信満々に微笑む。
「つまり、セレスちゃんに必要なのは、日常を制する修業」
「日常を制する修業……」
「そうよぉ」
普通なら、ここで疑う。
だがセレスは、根がかなり素直だった。
しかも、相手はエディンである。底知れない強さを持ち、何を考えているか分からないが、妙に説得力のある人。セレスはゆっくり頷いた。
「分かりました。やってみます」
「いい返事ねぇ」
エディンは満足そうに笑った。ただし、エディン自身は料理にも家事にもマナーにも特別詳しくなかった。
◇
「場所を変えましょう」
エディンはそう言って、誰もいない第一部隊隊舎の食堂へ向かった。昼食後の食堂は静かだった。机は片づけられ、椅子も整っている。
厨房の奥からは、かすかに水音が聞こえるだけだ。
「ここでやるんですか?」
セレスが尋ねる。
「ええ。食堂は日常の中心よ。人が集まり、動き、食べ、話し、片づける。ここを制すれば、場を読む力が身につくわ」
「なるほど……」
「少し待っててねぇ」
エディンはそう言うと、食堂を出ていった。セレスは一人、食堂の中央で待つ。しばらくすると、廊下の向こうから小さな足音がした。
エディンだった。ただし、食堂には戻ってこない。セレスが廊下を覗くと、エディンはルシアンの部屋の扉を静かに開けていた。
「エディンさん?」
「すぐ戻るわぁ」
エディンはするりと中へ入った。数十秒後。何食わぬ顔で出てくる。手には本を数冊抱えていた。セレスは首を傾げる。
「それ、何です?」
「教科書よ」
「ルシアンの部屋からですか?」
「教科書よ」
「今、ルシアンの部屋に入ってましたよね?」
「教科書よ」
「答えになってないですよ」
エディンはにこりと笑った。
「修業開始よ、セレスちゃん」
セレスは本の表紙を見ようとした。エディンはすっと角度を変える。見えない。
「表紙、見せてくれないんです?」
「最初に答えを見てしまうと、先入観が入るわ」
「そういうものですか?」
「そういうものよぉ」
セレスは少しだけ考えた。そして頷いた。
「分かりました」
エディンは内心で少し安心した。なお、抱えている本の中には、
『今日から始める淑女の作法』
『愛され家庭料理百選』
『できる女性の整理整頓術』
『花嫁準備帳・初級編』
が含まれていた。エディンは三冊の表紙をきっちり重ね、一番上だけを見せたまま閉じた。
◇
「まずは姿勢ね」
エディンは表紙を隠したまま本を開いた。
「背筋を伸ばして、肩の力を抜く。顎は少し引く。歩く時は音を立てすぎない」
「姿勢」
「ええ。姿勢が乱れれば、視線も乱れる。視線が乱れれば、判断も遅れる。戦場でも同じでしょう?」
「たしかに」
セレスは納得した。背筋を伸ばす。肩の力を抜く。顎を引く。一歩、歩く。
靴音が少し響いた。
「もう少し軽く」
エディンが言う。
「足を置く場所を決めすぎない。床を叩くのではなく、床へ触れる」
「床へ触れる……」
セレスはもう一度歩く。今度は音が小さくなった。
「あら、上手」
「本当です?」
「ええ。今の動き、戦闘でも使えるわよぉ。踏み込みの前に余計な音を出さない。重心を落としすぎない。水のように移る」
「なるほど」
次は挨拶だった。
「相手の目を見て、柔らかく微笑み、相手が安心する声で」
「交渉や村人対応ね」
「それだけじゃないわ。味方を安心させる声は、戦場でも大事よ」
「たしかに。ルシアンの声が聞こえると、少し落ち着く時があるわ」
「でしょう?」
セレスは立ち上がり、綺麗に一礼した。
「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。本日の件、詳細を確認させてください」
完璧だった。エディンは本を見る。本にもだいたい同じようなことが書いてあった。
「あらぁ、上手」
「本当?」
「ええ。次は料理ね」
「料理も戦闘に関係あるんです?」
「段取り力よ」
「なるほど」
セレスはまた納得した。エディンは自分で言っておいて、少しだけ感心した。
「そうねぇ。料理は段取り、火加減、観察、気配り。戦闘と同じね」
「たしかに」
「じゃあ厨房へ行きましょう」
◇
厨房は、昼食後で少し落ち着いていた。料理番が洗い物をしていたが、エディンがにこりと頼むと、なぜか簡単に場所を貸してくれた。セレスはエプロンをつけた。
似合っていた。エディンは本を開く。表紙はまだ見せない。
「まずは野菜を切る」
「任せて」
セレスは包丁を持った。短剣の扱いに慣れているため、刃物の持ち方は安定している。人参を切る。
玉ねぎを切る。芋を切る。速い。そして綺麗だった。エディンは本を読みながら頷く。
「大きさを揃えると火の通りが均一になる、ですって」
「敵の足並みを崩すのと逆ね」
「……たぶんそう」
「料理、奥が深いわ」
次は火加減だった。
「強火で一気に炒める、と」
エディンが読む。セレスは火を強める。強すぎた。鍋から炎が上がる。
「あら」
「大丈夫」
セレスは水流魔法で炎を抑えた。ついでに鍋の中の野菜が綺麗に回った。エディンは拍手した。
「すごいわぁ。料理にも水流魔法」
「これ、使えそうです」
「セレスちゃん、才能あるわよ」
「本当です?」
「ええ」
セレスは少し嬉しそうだった。次は味付け。エディンが本を読む。
「塩は少しずつ。味見をしながら」
「戦闘で言うと、魔力の出力調整ね」
「そうねぇ」
セレスは真剣に味を見た。少し塩を足す。香草を足す。煮込み具合を見る。
水流魔法で鍋の中の熱の流れを均一にする。料理番が遠くから見て、目を丸くしていた。
「……あれ、うちで働けるんじゃねぇか」
エディンは聞こえないふりをした。
◇
次は整理だった。エディンは本を開き直す。
「物には帰る場所を作る」
「帰る場所」
「そう書いてあるわ」
「隊員にも帰る場所がある方が安心するものね」
「急に深いわねぇ」
「物も人も同じかもしれませんね」
「セレスちゃん、飲み込み方が独特ね」
セレスはとても真面目だった。隊舎の共有棚を整える。救急布、予備包帯、洗浄液、針、糸、工具、筆記具、予備の手袋。
今までも乱れていたわけではない。だが、セレスが整えると一目で分かるようになった。エディンは本を読み上げる。
「よく使うものは手前。緊急時に必要なものは、迷わず取れる位置へ」
「これは本当に大事ですね」
「戦闘でも、必要なものを迷わず取れることは命に関わるものねぇ」
「たしかに。整理って戦闘準備なんですね」
「……たぶんそう」
セレスはもう完全に信じ切っていた。続いて洗濯物の畳み方。食器の並べ方。来客用の茶器の出し方。相手に合わせた言葉遣い。
歩く時の足音。人が疲れている時の声のかけ方。途中から、エディンも妙に楽しくなってきた。
「セレスちゃん、次はお茶を出す時の角度よぉ」
「角度ですか?」
「相手の利き手側へ、持ち手が自然に来るように」
「なるほど。負担を減らすのね」
「そうそう」
「これは戦闘中の支援位置にも近いかも」
「たぶん近いわぁ」
エディンはもう、何が日常動作の修業で何がただの花嫁修業なのか分からなくなっていた。
だがセレスはどんどん吸収した。
◇
夕方。エディンは食堂の椅子に優雅に座り、セレスを見上げた。セレスはエプロン姿で、背筋を伸ばして立っている。
机の上には、料理が並んでいた。野菜と肉の香草煮込み。焼いた丸パン。軽い酸味のある豆の和え物。果物を使った小さな甘煮。
どれも見た目が整っている。香りも良い。食堂の棚も綺麗に整えられていた。
救急箱の位置まで分かりやすくなっている。エディンは満足そうに頷いた。
「これで強くなったわ、セレスちゃん」
セレスの目が輝いた。
「本当です?」
「ええ」
エディンは本を閉じる。表紙はまだ見えないようにしている。
「料理、整理、所作、気遣い。すべては流れを見る力。流れを見る力は、戦いの場でも必ず生きるわ」
セレスは胸を張った。
「なるほど……!」
鼻が高かった。とても高かった。
「ありがとう、エディンさん」
「どういたしましてぇ」
エディンはにこにこしていた。なお、戦闘面の突出した強みについては、何一つ解決していなかった。
◇
夜。第一部隊の面々が食堂に集まると、いつもと空気が違った。まず、席が整っていた。
全員分の杯が自然に取りやすい位置に置かれている。レイスの席には、温かい茶。アルドの席には、剣の整備布が端に置かれている。
ノルの席には、片手でも取りやすいように皿の向きが調整されていた。ルカの席には、短剣の鞘を置いても邪魔にならない小さな布。バルトの席には、いつもより大きめの皿。
ゴードの席は通路に近く、立ち上がりやすい位置。ルシアンの席には、薬草茶。エディンの席には、なぜか果実酒。
全員が席につく前から、何かが違った。
「……何だこれ」
アルドが呟く。
「整っている」
レイスが言う。
「異常なほどに」
「異常って言わないで」
セレスが厨房から顔を出した。エプロン姿だった。手には鍋。
「今日は私が作ったの」
「セレスが?」
ルシアンが目を丸くする。
「うん。修業の成果よ」
「修業?」
「日常動作の洗練」
セレスは誇らしげに言った。エディンが横でにこにこしている。ルシアンは少し首を傾げた。
「日常動作?」
「戦場で美しく、軽やかに、確実に動くための修業よ」
「へぇ……?」
ルシアンはよく分からない顔をしたが、セレスが自信満々なので深くは聞かなかった。料理が並ぶ。野菜と肉の香草煮込みの香りが広がると、バルトが真っ先に身を乗り出した。
「うまそうじゃねぇか!」
「熱いから気をつけて」
セレスが自然に言う。バルトは少し固まった。
「……母ちゃん?」
「誰が母ちゃんよ」
ノルが一口食べた。
「うま」
短い言葉だったが、はっきりしていた。ルカも目を輝かせる。
「おいしいです。野菜が柔らかいのに、崩れてません」
ゴードが静かに頷く。
「味が落ち着く」
レイスも一口食べた。少しだけ目を細める。
「塩加減が良い。胃に重くない」
「レイスが褒めた」
ノルが言う。
「褒めるべき時は褒める」
「珍しい」
「黙れ」
アルドは大きめに切られた肉を食べ、すぐに頷いた。
「うまい。すごいな、セレス」
「本当?」
「ああ。これ、普通に店で出せるんじゃないか?」
セレスの顔が明るくなる。
「えー、そこまで?」
ルシアンも笑った。
「すごくおいしいよ。あと、席もすごく助かる。薬草茶もありがとう」
「昨日の疲れが残ってるかなと思って」
「うん。嬉しい」
エディンは果実酒を飲みながら、満足げに頷いていた。
「ほらねぇ、セレスちゃん。強くなったでしょう?」
「はい!」
セレスは胸を張った。食事中も、以前より先に手が動く。バルトがこぼしかけた杯を、セレスは横からすっと押さえた。
ノルが片手で皿を取りにくそうにしていると、自然に向きを変えた。ルカがナイフの鞘を置く場所に困っていると、布を差し出した。レイスが本を濡らしかける前に、杯の位置をずらした。
アルドが熱い鍋へ不用意に手を伸ばす前に、布巾を渡した。
「何で分かった?」
アルドが驚く。
「見ていれば分かるわ」
セレスは少し得意げだった。その気遣いは、いつもより一段細かかった。全員が自然に過ごしやすくなっている。
誰かが大きく褒めなくても、食堂全体が心地よかった。夕食は賑やかに進んだ。バルトはおかわりを三回した。
ゴードも静かに二回おかわりした。ノルは「これ、明日も食べたい」と言い、ルカは「料理も訓練なんですね」と真顔で言った。レイスは「段取りは戦闘にも通じる」と言い、セレスはさらに鼻を高くした。
アルドは「強くなったな」と言った。セレスは完全に満足した。
◇
食事が終わると、セレスは食器を洗った。ルシアンが手伝おうとしたが、セレスは笑って首を振った。
「今日は最後までやってみたいの」
「じゃあ、少しだけ」
「ありがとう」
二人で並んで食器を洗う。ルシアンは不思議そうに棚を見た。
「すごく綺麗に片づいてるね」
「物には帰る場所が必要なんだって」
「へぇ……誰に教わったの?」
「エディンさん」
「エディンさん?」
ルシアンは首を傾げた。少しだけ嫌な予感がした。
「教科書を読んで教えてくれたの」
「教科書?」
「うん。姿勢とか料理とか整理とか、相手に合わせた気遣いとか」
「へぇ」
ルシアンは不思議そうに頷いた。セレスは食器を洗い終えると、棚に綺麗に並べる。布巾も干す。
調理台も拭く。水場も整える。完璧だった。
「よし」
セレスは満足げに頷いた。その夜、セレスは自室に戻った。寝台に入る前に、今日のことを思い返す。
料理は褒められた。気遣いも褒められた。食堂は整った。みんな喜んでくれた。エディンさんは言った。
これで強くなった、と。セレスは布団に入り、にこにこしながら目を閉じた。
「私、強くなったわ……」
満足だった。とても満足だった。数秒後。セレスは目を開けた。
「……あれ?」
天井を見る。今日一日を、もう一度思い返す。姿勢を整えた。料理をした。片づけをした。
所作を学んだ。気遣いが上達した。みんなに褒められた。嬉しかった。とても嬉しかった。
でも。
自分に突出した強みがないという最初の悩みは。
「……何も解決してない」
セレスは布団の中で固まった。そして、さらに思い出す。エディンが最後まで見せなかった教科書。
料理。整理。所作。気遣い。どこかで聞いたような組み合わせ。
セレスはゆっくり体を起こした。
「……まさか」
その頃。ルシアンは自室で棚を漁っていた。本棚。机の引き出し。寝台の下。
衣装箱の中。ない。ない。ない。ない。
「ない……」
ルシアンの顔が青くなる。昨日までは、確かにあった。こっそり買った本だった。
表紙を見るだけでも少し恥ずかしくて、でもいつか役に立つかもしれないと思って、大事に隠しておいた本。
『花嫁準備帳・初級編』
ない。どこにもない。ルシアンは両手で頭を抱えた。
「どこ行ったのおおおお!」
夜の隊舎に、ルシアンの悲鳴が響いた。セレスは自室の寝台の上で、ゆっくり顔を覆った。
「……花嫁修業じゃない」
小さな声だった。廊下の向こうで、エディンが本を数冊抱えたまま、そっと角を曲がった。
「……明日返しましょ」
そう呟いて、エディンは何食わぬ顔で歩いていった。
今回もお読みいただきありがとうございました。
引き続き毎日20時頃の更新になりますので、よろしくお願いします。
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