表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1秒ストライカー 〜1秒先の未来が見えるおっさん、サッカーで人生やり直す〜  作者: そきおこ
やっと本題、テンリーグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/96

第83話 第1回テンリーグ設立検討委員会

 12月最初の土曜日。テンリーグ設立検討委員会、通称テンツクの第1回委員会の日を迎えた。


 出席者は以下の5名。


 委員長:イレ

 書記:ヨウ

 議事進行:わさび

 委員:ペイ、未来、もんちゃん


 議事は、各担当の進捗状況報告と意見交換。


 ・収益化事業の選定:ヨウ、わさび

 ・リーグ制度の設計:もん、未来

 ・会場および施設選定:ペイ

 ・全体取りまとめ:ヨウ


「それでは、第1回テンリーグ設立検討委員会を始めます。」


 わさびが、やや形式張った声で宣言する。


「でもね、堅苦しい会議なんてやったら、きっと何も決まらないから。順番に、自由にいこう。」


 すぐにいつもの調子へ戻った。


「そりゃ、やりやすくていいや。

さすがわさびさん。ますます惚れちゃうもんね。」


 もんちゃんの合いの手で、場の空気が一気に柔らぐ。


「じゃあ、僕たちからいきますね。」


 未来が元気よく手を挙げた。


「まずは、あの有名な『アオソラ』の社長がバックについてるってことで——お金のことは、いったん考えません。」


 未来らしいなと、ヨウは思う。

 そして、それでいいのだとも思う。


「5部制のリーグにしましょう。1部は今のプロリーグより、だんぜん給料を良くする。その選抜メンバーでJリーグと天皇杯を目指すんです!」


「大盤振る舞いだな。もんの方が、俺より金持ちになっちまうな。」


 イレが豪快に笑う。


「これで、前借りした給料返せるもんね。」


 もんちゃんも負けじと応戦する。


「うち(坂本造園)がやるんだから、思いっきりわがままに作りましょう。」


 未来のアイデアは止まらない。


 5部リーグは10分ハーフの20分制。自由参加。何度でも挑戦可能。

 カテゴリーごとに特徴を持たせ、年がら年中サッカーが行われるリーグ構想——。


「監督もバトル対象にしたらどうかな。監督が選手にポイントをつける。監督も勝敗でポイントを得る。絶対面白いもんね。」


「あと、コーチも対象にしましょう。選手からポイントもらって教えるとか。」


「そのポイントって、何に使うの?」


 わさびが冷静に問いを投げる。


「生活にも、リーグランクアップにも使えるようにしたらどうですか?生活に使えるならお金みたいなものかな。でもランクアップに使えるってところが面白いと思います。」


 話は盛り上がり、気づけば1時間が過ぎていた。


 ヨウは黙ってメモを取りながら、頭の中で別の計算をしていた。


 トップリーグに高額報酬。

 それは夢か、それとも利権の温床か。


 金は人を動かす。

 だが同時に、町を歪ませもする。


 それでも——

 ニンジンがなければ、人は走らない。


 矛盾を抱えたまま、ヨウは口を閉ざした。


「じゃ、ここまでの話はまとめておいたから、次回までに具体化してね。本格運用までの工程表も。」


 わさびが議題を締める。


「次は、ペイさんの会場選定。」


「あ、僕のは飛ばしてください。制度が固まってから動きます。目星はついてますから。」


 相変わらずの早口だが、用意周到なのは変わらない。信じていいのだろう。


 そして、最後の議題。


 テンリーグの原資となる収益化事業。


 青空市で“これは”という事業を坂本造園が立ち上げ、テンが認めれば多額の出資が入る。


 夢を回すためのエンジンを、ここで作らなければならない。


 ヨウは、静かに姿勢を正した。

 ここからが本番だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ