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1秒ストライカー 〜1秒先の未来が見えるおっさん、サッカーで人生やり直す〜  作者: そきおこ
第6章 青空市の未来

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第75話 動き出している理想

「ヨウさん、プレゼンはもういいよ。せっかくみんなで集まってるんだから話し合おうよ。」


 まだまだプレゼンを続けようとするヨウに対して、もんちゃんが静止する。


「あ、ごめん。……確かにそうだね。

……で、どんなアイデアを思いついたの?」


 ここでヨウも気づき、ディスプレイをオフにした。かばんからメモを取り出して話を聞く姿勢に変えた。


「手伝いしてて分かったんだけど、みかんに来るお客さんってリアルを感じに来てるんだよ。ここに来てイラストを飾ればさ、AIで描いた作品でも“体験”になるもんね。」


「えっと……、どういう意味?」


 ヨウは、最近のあおい庭園の様子を知らない。

当然、スタジオみかんの様子もわからない。


「いま、飲食の流行りってさ、SNSの影響がめちゃくちゃ大きいんだよ。行列ができてる店って、ほとんどSNSだもんね。」


「さすが、もんちゃんさんっす。」


 夏海が合いの手を入れる。


「それでさ。美香さんのスタジオみかんをさ、絵師の委託販売の場にしようって話てたんだ。

美香さんのイラストも買いたいって人がいっぱい来てるけど、他の絵師にも門を広げてさ。

いまこそ、SNSの力でもっと人を集めるチャンスだもんね。」


「面白そうね。イラストに映える庭を維持しなきゃ。ごみを出さない『あおい庭園』にぴったりね。」


「素晴らしい……けど、それでテンリーグを持続していくことはできるのかなぁ。

……夢だけじゃ、リーグは回らないからなぁ。」


「ヨウはいっつもそんな調子ね。ブレストで批判厳禁忘れたの?」


「相変わらず、うだつの上がらないサラリーマンっす。」


 ヨウは、昔の上司を思い出して、いかんいかんと首を振った。あの、ブレスト中に批判ばかりしていたダメ上司だ。


「まぁ、やってみろよ。とりあえず、収益になるならいいだろ。ただし、その仕事、スタジオみかんが儲かるだけだろ?うちに1円も入らねぇじゃねえか。どうすんだよ。」


「ウキ……。考えてなかったもんね。」


 一同が、笑いに包まれる。


「美香だけじゃなく、うちも稼ぐ。考えるっす!!めちゃくちゃ燃えてくるっす。」


「そうね。いまのままだと、『まちカフェ』にもお金は入らないもんね。先月は、1日1000人くらい来たけど、売り上げはユミちゃんのお花だけだから、100万円くらいだよ。1日4万円いかないくらい。店舗の電気代とか水道代とか、全部うち持ちだから……。ユミちゃんのお給料もあるし、ほとんど残らないよ。むしろ赤字ね。」


「まぁ、最初はそれでいいって俺が言ってあるからな。心配すんな。」


 イレが発言して、みんなを安心させた。


 『あおい庭園』は坂本造園が運営する私設公園で、組合員になれば出店や委託販売ができる仕組みになっている。

 組合費は月3万円、店の家賃や委託販売手数料は取らない。よって、組合員がどれだけ儲かっても『あおい庭園』の収入にはならない。

 唯一の収入源は『まちカフェあおい』の売り上げなのだが、基本的に飲食は商店街にある組合員の商品を委託販売するので、お金はもらえない。

例外は、ユミが手掛けるお花の販売のみである。

 そもそも、ヨウとわさびが決めた、町と共存する庭園としては完成していて、この場の収益をテンリーグの持続可能性と結びつけるのは非常に難しい。


「収益化検討は続けていくとして、まずは成長の可能性があることにはどんどん挑戦しよう!!」


 ヨウが力強く宣言し、スタジオみかん成長チャレンジに坂本造園が全面協力することで、ミーティングは終了した。

 坂本造園の挑戦は、まだ始まったばかりだった。

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