表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1秒ストライカー 〜1秒先の未来が見えるおっさん、サッカーで人生やり直す〜  作者: そきおこ
第6章 青空市の未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/96

第68話 とにかくやるしかない

「さて、何からやるっすか?」


 スタジオみかんの中央で夏海が手を叩いた。

昨日オープンしたばかりで、作業机以外はがらんとしている。

 立ったまま、美香、夏海、わさび、未来の4人による即席作戦会議が始まった。


 勇気にはカフェの手伝いを頼んだのだが、女子高生2人も勇気の方へ行ってしまった。


「さぁ、じゃんじゃんイラスト印刷して、壁一面に飾りますよ!!」


 未来を前にした美香は、完全にエンジン全開だ。

少し暴走気味にも見えるが……。


「待つっす。壁全部使うのは早いっす。

どう転ぶか分かんないんだから、余白は残すべきっす。それより動画量産っす。昨日の反応、まだ伸びてるっすよ。」


 一瞬、場が止まる。


「……夏海、ちゃんと考えてるんだね。」


 わさびがつぶやいた。


「と、もんちゃんさんが言ってたっす。」


「前言撤回、はい、やり直し。」


 くだらないやり取りに、場の空気が緩んだ。


 皆で笑いあった後、未来が静かに口を開いた。


「でも、量を作るのは正解だと思います。

知られなければ、なかったのと同じですから。」


 その一言で、美香の目がさらに鋭くなった。


「さぁ、すぐやりますよ。とにかく動こう!」


 プリンターが唸る。

 額に入れる。

 動画を撮る。

 アップする。


 4人の動きは次第に噛み合い始め、空っぽだった空間に少しずつ色が生まれていった。


 スタジオみかんが、呼吸を始めた。


****


「ここじゃない?」


 その日の午後3時頃、まちカフェの駐車スペースに珍しくレンタカーが滑り込んできた。

降りてきたのは20代前半の女性3人組。


「いらっしゃいませ〜。」


 ユミが声をかけると、3人は楽しそうに花を選び、カフェで写真を撮り始めた。


 わさびが小さくつぶやく。


「……来たね。」


 ユミが自然に聞く。


「どちらから来られたんですか?」


 少し照れながら、1人が答えてくれた。


「東京からです。昨日の動画、流れてきて気になって……。あの絵は飾ってあるんですか?」


 その瞬間。


 スタジオみかんのプリンター音と、まちカフェの笑い声が、一本の線で、つながった気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ