↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/43

第20章

 【雌犬(ビッチ)】


 あるアメリカ人が、イギリスでロンドンからリヴァプールに行く汽車に乗った。


 汽車はひどく混んでいて、彼は座ることができなかった。


 これから四時間も立ちっぱなしかと考えて、彼はウンザリしていたのだが、見ると、雌(メス)のプードルを連れた女性が、その犬にまるまる1人分の座席を取らせていた。


 彼はその女性に、犬をおろして自分を座らせてくれないかと頼んだ。


 「ダメです。あなたを座らせるわけにはいきません。この犬は、手荷物車(てにもつしゃ)が嫌いなんです。それで、この犬の分の切符(きっぷ)までわざわざ買って、ここに座らせているんですから。」


 アメリカ人は、その犬を自分の膝(ひざ)に乗せますから座らせてくれませんか、ともう一度頼んだ。


 「ダメです!」


 女性の返事は、にベもなかった。


 そこでアメリカ人は突然窓を開け、その雌犬(めすいぬ)の首根(くびね)っこをつかむと、ポイと窓の外に放り出し、その席に座った。


 女性は、失神(しっしん)した。


 すると向かい側に座っていたイギリス人の老紳士(ろうしんし)が、アメリカ人の方に身を乗り出して、そっと言った。


 「あなたがたアメリカ人の困ったところは、あまりにも衝動的(しょうどうてき)な振る舞いが多すぎるということですな。

 あなたが窓から放り出すべき雌犬(ビッチ)は、あっちの方(ほう)ではなかったんですぞ。もっと考えて行動してくれなくては困りますな。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。