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第19章

 【混血こんけつ


 ひと目でアイルランド人とわかる男が、汽車で、キザで尊大そんだいなイギリス人と隣り合わせた。


 イギリス人は、一匹の犬を連れていた。


 「・・・見事な犬ですな。」


 アイルランド人が、その犬を見て言った。


 「こいつは、アイルランド人と豚をけ合わせて出来た混血でね。」


 イギリス人は、イヤミたっぷりに答えた。


 「オヤ、それでは」


 と、アイルランド男は、間髪かんぱつを入れずやり返した。


 「その犬は、われわれ双方そうほうと血のつながりがあるってわけですな。」


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 【ピーナッツ】


 三人の男が、判事はんじの前に引き出されてきた。


 公園で秩序ちつじょみだす行為があったというのだ。


 「何をしたんだね・・・?」


 判事が第一の男にたずねた。


 「ちょっとピーナッツを、池に投げ込んだんで。」


 男が答えた。


 「それほど有害な行為とは思えんが。」


 判事が言った。


 「それでは、お前は何をしたんだね?」


 判事は、第二の男に尋ねた。


 「ヘェ。あっしも、ピーナッツを池に投げ込んだんで。」


 つづいて判事は、第三の男に向かって言った。


 「そしてお前は? お前も、ピーナッツを投げたのかね・・・?」


 「いいや、ちがいまさあ。」


 第三の男が答えた。


 「あっしは、『ピーナッツ』ってあだ名なんです。」

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