L.P.9 それは何だ?
階段を上った先にフェイタルがいたエリアと同じ景色が広がっていた。ただ、1つ違和感がある、次のエリアへの階段が既にあると言う所だ。
僕達は辺りを警戒しつつ階段の前に来た。その時、階段が目の前から消えたと同時に背後には1人の男が立っている。
「おいおいおい…これはどういう事ですか」
僕は目を疑った、ヴィクターさんが僕達に銃口を向けている。
「そうか…クラスインセクトとパラレルロストを守護する存在、パラレルビースト:クラスアンアイデンティファイド…正体不明の名を冠する者…」
「ご明察、拙者こそはクラスアンアイデンティファイドの力を親方より預かりし者」
「ヴィクターさん…何を言っているのですか…」
エアさんが呟いていた。
「ヴィクター、成る程この身体の持ち主と知り合いだったか、拙者は魔力の強い者を吸収してこの世にとどまり続けておるからな、そのような事はいくらでもある」
「いくらでもあるですって…」
「手の内を明かしてやろうか?」
閻魔の背には水銀の羽、腕には円盤状の刃物、背後には無数の氷の槍を構えている。
「この気配…マズいぞ2人とも!」
この空気のピリつき、間違い無い〔My weapon is my own heart 〕〕だ。
エアさんもそれを察知したのか悔しいかのような顔をして〔忘却の最果てへ〕を構えた。
クラスアンアイデンティファイド、正体不明が故に誰でもある存在、能力を吸収して強化する能力…こんなの僕達が勝てるのだろうか…
「いや、お前達に対してはこの力の方が効くのだろう?」
閻魔は大きく弓を引いた。
「その能力は…まさか、ジャックさんまで…」
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
アーサーさんが〔悪心を断つ神罰〕の斧を持ち、がむしゃらに走った。
鎖が巻き付いた、槍が腕をかすめ取った、水銀が傷口から侵入していく、番えられた矢が放たれた。
〔魔力崩壊の雨〕
1人、この世から観測者が減った。
「ねぇ、■■?あいつ私がやって良い?」
その声はどこか懐かしくって怖かった。
「嫌だ、行かないで、■■■■!■■■■!!」
〔記憶の最果てへ 煌めきの最果てへ〕
あぁ、やっぱりそうなのか、貴女も制御装置なんだね…
辺りに結晶が舞っている
3つのロードパラレルは制御装置を担っている
再起動の〔悪心を断つ神罰〕
メモリの削除〔煌めきの最果てへ〕
能力の詳細は僕でも知らない。でも、彼女の能力は感覚で分かる。記憶に残る能力をフルパワーで再現。その変わりに自身が持つ対象の記憶を消去していかなければならない。多分彼女はそれも承知なのだろう。
彼女はまず最初に相手を鎖で縛り、能力を奪う〔鎖状の突風〕を使用し、閻魔から槍の能力を奪った。
〔氷風のつらら〕
辺りを舞う結晶が槍に変化しやつの逃げ場を封じた。
〔My weapon is my own heart 〕〔悪心を断つ神罰〕
威力が最大まで上昇した斧が羽を切り落とした。
〔カウントMAX レッドエンジンⅩⅡ〕〔火花散る竜巻〕
結晶で出来たディスクグラインダーが足場をズタズタにした。
「これで最後です!!〔忘却の最果てへ〕」
1匹の銀狼が閻魔のデータを噛みちぎった。
僕達が勝利の余韻に浸る前に終わりが来た。
この部屋に僕以外に人はいない、人間のような形をした結晶が砕けていた。僕はそれの事が分からない。何か僕は忘れている。でも、僕は立ち止まれ無い。
それの欠片をポッケに入れた。
どうも作者です。
「それは何だ?」
クラスアンアイデンティファイドⅡが消失しました。




