L.P.7 友への弔いの弾丸ヴィクター•バベッジ
僕とエアさんは魔物をなぎ払いながらロストパラレルの元に走った。
バンッ バンッ バンッ
曲がり角の先で銃声が鳴った。
目の前でヴィクターさんが魔物を狩り尽くしていた。
「君達か、ここら周辺の魔物は狩り尽くした。ここは俺に任せて、アーサーの所に言ってやれ」
僕達が走り去って行こうとした瞬間他の魔物とは違うオーラを放つ蠍のような物が建物を突き破って来た。
「アビスゼロ…いや量産型か」
突如突風が吹いた。頭上に誰かいる。
「お前は…馬鹿な」
「久しいな、ヴィクター」
「黙れ」
ヴィクターさんの銃は男の子脇腹を貫いた。
ポタ…ポタ…
傷口から黒い液体のような物が滴り落ちる
「ひどいではないか、ヴィクター。茶番は嫌いか?」
「人形風情が、俺の相棒の姿を飾るか…」
僕はエアさんに小声で訊いた
「何でヴィクターさんあんなに怒ってるんですか?」
「それはですね…2年程前の事件でヴィクターさんが彼の相棒であるエリオットさんという人を自らの手で…エリオットさんは不死の能力〔鎖状の突風〕を所有していたのですが、戦いの途中にアビスゼロと言う魔道具に身体を蝕まれ苦しみ悶えていたのです…」
「その姿をヴィクターさんは見るに堪えなかったんですね…」
ヴィクターさんがポッケに手を入れた瞬間空気がピリッとした。
「たとえ偽りでもお前が相手なら俺は全力で行こう。〔My weapon is my own heart 〕」
蠍の魔物が一瞬にして消滅した。
「おい、命知らず…俺の攻撃は見えたか?折角手の内をさらけ出しているんだ…その身体であっけなく死ぬなよ?」
僕の〔生命が刻む歴史〕でのリプレイでやっと視認出来るレベルだった。この一瞬でヴィクターさんの銃から弾丸が放たれたのだ。大抵の加速系の能力は威力が低下する変わりに何発も叩き込むのがメジャーだが彼は違った、たった1発、たった1発で仕留めたのだ。
「人間風情がっ、〔星々の理〕」
辺りの重力が強くなり今でも押し潰されそうになっても、彼は立っている。
「そんなんで俺の怒りを押さえつけた気になってんのか?〔無言の置き手紙〕」
〔超魔道具 廻る運命の歯車〕
宙を舞った付箋から1丁の銃が出てきた。その銃から放たれる閃光は、上空の男の胸を貫いた。
「やったのか…」
僕がそう呟いた瞬間に無数の鎖がヴィクターさんの体を縛り付けた。
「そんな鉄砲玉で余を打ち倒せると思っていたのかい?」
「本当にお笑いだよ、俺がお前の〔鎖状の突風〕の能力を知らないとでも?」
ヴィクターさんの周りで無数のナイフが飛び交って鎖を切り裂いている。
その後、ヴィクターさんが高く跳び1本の矢で男を刺した。
「あの世でゆっくり寝てな相棒お゛お゛お゛お゛お゛――――――――――――――――」
ヴィクターさんの渾身の叫びの後に静寂が風に乗って訪れた。
「おい、エア先に行ってくれ…俺もすぐに追い付く、早くアーサーの所に」
「はい!」
僕達はアーサーさんの元に、ロストパラレルの元に走った。
ヴィクターさん、本当は大丈夫じゃないはずなのに…あなたとあなたの相棒さんの分まで戦うよ…
どうも作者です。これから投稿頻度が下がりそうです。
ヴィクターのmy weapon is my own heart の能力は身体強化系の超加速と自身の武器の威力と性能の上昇っていう能力で作りました。名前もゲイルフェニックスに寄せた名前で2人の合体技のように演出にしてみました。




