第1話 失踪事件
「にしても大量失踪ね…」
「どうした、航琉?」
「いや、突然ある区画の人間だれ一人として連絡が取れなくなるって、ちょっと歪って言うか何て言うか…香留菜兄さんはどう思う?」
「誰も現地の状況を見たやつがいないっておかしいと思わないか?もしや、失踪事件が起きた区画に立ち入った人間全員が消されたとしたとか…なんてそんなことあるはず無いか…」
「まぁ、何にしろ現地に行くのが手っ取り早いでしょ」
「それもそうだ…」
「香留菜兄さん、車出して~」
「はいはい」
そんな軽い気持ちで車を出すのが間違いだった。
都会から外れた田舎町に着いた僕らは信じられない光景を目にした。
空から火の粉の雨が降り、町中の建物がボロボロに壊れている。
「コイツは…魔法による犯罪とみて良さそうだ」
「行くよ!香留菜兄さん!!」
「了解」
探偵業も仕事だけど、僕らは魔法が絡んだ犯罪を鎮圧させると言う仕事も行っている。それが僕達「探偵事務所クライデヴァイス」だ。
僕らは瓦礫の山を飛び越え、町中を駆け巡った。
「いたぞ、航琉!!あそこだ!!」
火の粉が降る中で人型の蠍のような化け物が佇んでいる。
「お前は何だ?」
「俺は…俺は!!焔の禁断ウルカヌスだ!!」
〔鍛造錬成-焔語り-〕
ウルカヌスの蠍の尻尾の形状が変化した。
「危ない!!〔万華鏡-百花繚乱-〕」
尻尾の先から放たれた炎の弾丸が香留菜兄さんの鏡の盾を貫き真っ直ぐ僕の方に突き進んで来る。
「ナイス減速〔転輪の双剣〕」
白い短剣が飛んできた弾丸を跡形もなく消し去って見せた。
「どうだい、驚いた?僕の〔転輪の双剣〕で取り出した白と黒の双剣の力はね、白が抹消、黒が復元の力を持っているんだ」
「さて、次はこっちの番かな?」
〔鏡屋敷〕
無数の鏡が連なる空間に相手を引きずり込む香留菜兄さんの奥義だ。
「チッ、こんな結界なんか俺の敵じゃねぇ!」
「それはどうかな?やれ!航琉!」
〔輪廻天昇双剣斬〕
香留菜兄さんの鏡はワープゲートだ。鏡に入ればランダムな違う鏡から飛び出すゲート。
「トドメだッーーーー!!」
「ハッ…何で俺は気付かなかったんだろうな…」
カランッ
足元にやつの銃が落ちた。僕はそれを手に取り事務所へ帰る準備をしてた。
「ん?」
今一瞬崩れた建物の間に何か長い物を携えている人影が見えた。
僕はその人の方に近付いて行く。
誰も居なかった。
気にする必要は無いか…
第2部<エンドレス•インク•メモリーズ>
この世界は第1部の世界が巻き戻り、再編され、反転した世界である。




