L.C.2 咲き誇る桜のアリエス
「父さん…」
目元がモヤで見えないけれどあれは父さんだ。
「■■■■■■■■■」
何て言っているのだろうか今の私には聴こえないや。いやそもそも何も言っていないのだろうか。
でも、その姿はどこか悲しそうだった。
私が剣を振りかざした時、目の前で花吹雪が舞った。
ロストパラレルでの兄さんとの闘いがフラッシュバックする。
〔原罪の剣〕
ボゴッ
私が剣を振り下ろした瞬間、鎧がへこむ鈍い音が響いた。
こんな話があるもんか、私の〔原罪の黄金郷〕は森羅万象全てを私の世界に書き換える魔法。なのに、なのに!どうしてだ!なぜ書き換わら無い?!〔狂月神花-乱れ桜-〕の力の方が上だとでも言いたいのか?!
「航琉!!いつまで寝てんだ、この寝坊助!」
渾身の打撃が鎧を砕いた。
ああ、やっと声が聞こえた。父さん、僕、今まで……
僕が今まで辿ってきた道がうっすらと脳裏をよぎる。
それはあの街での記憶。
「さぁ、始めようじゃねぇか!〔魔力崩壊の雨〕」
それは友を思う男との記憶。
「全力で行こう〔My weapon is my own heart 〕」
それは眩き正義の記憶。
「この時を…待っていたよ…〔悪心を断つ神罰〕」
それは最果て至っても煌めき続ける者との記憶。
「ねぇ、航琉?あいつ私がやっても良いかしら?〔煌めきの最果てへ〕」
それは自身の兄と袂を別れた記憶。
「お前は放って置けない存在だったか…〔崩壊残花-万華鏡-〕」
「僕自身がロードになることだ!〔永久の羅針盤〕」
それは果てしない海を共に航海た記憶。
「速攻できめようか?〔船よ錨をおろせ!〕」
これは僕が知らないが確かに目にした記憶。
「航琉…今、父さんが助けてやるからな!
〔狂月神花-乱れ桜-〕」
ここで、僕の記憶が途切れた。
そう言えば、もう1人の僕はどこに消えた?
コラム 雷狩
メモ「もう1人の僕」
メモの執筆:時村航琉




