L.P.2 魔道探偵 ジャック•ホーソン
探偵事務所オブシディアンに住み込みで働くようになってから2日、昼休憩の時間にジャックさんが僕に話しかけた。
「そういば、日本では魔法ってあまり普及して無いだろ?」
「そうですね」
(そうなのか?)
彼は何か思い付いたように立ち上りこう言った。
「よし、時村、今から出掛けるぞ!」
どこに行くのかも分からず、僕はジャックさんの熱に負けて今、列車に乗っている。
「あのー?今からどちらに向かうのですか?」
「魔道国家ヘイルだ、そこの知り合いが適正のある魔法を見つけてくれるんだ」
魔法!子供のころから使ってみたかったんだよなー!本当にジャックさん最高!と心の中で僕はは大はしゃぎした。
それから十数分後、駅を降りた先にはこんこんと雪が降る綺麗な街がそびえ立っていた。街の至るところに灯火が置かれており、雪が降ってても消えない様子から、魔法で灯された火なのだろうと推測出来る。まさに魔道国家の名に相応しい街だなーと関心しながら歩いていた。
「昔はヘイルって外界から隔離された集落だったのだが、5年前にある男の手によって当時の女王様が殺されちまって、その時に建物が全部崩壊しちまったんだ、今は当時の騎士団長が女王になって街の復興と発展、他の国との交流に力を入れているんだとさ。そして、ヘイルが崩壊した時、俺達もここにいた。」
「そうなんですか?」
「俺達の仕事は普通の探偵業の他に魔法で何か悪さをしでかそうとする奴らを制圧するのも仕事としてあるからな、その時の犯人がヘイルを壊したんだ。…さて、到着だ」
話しているうちに街の外れにある建物に到着した。
カランコロン 店のドアを開けた先には果てしない量の本が棚に並べられていた。
「いらっしゃい、おや、ジャックか今日はどうした?」
おしゃれな空間に緑髪の男が立っている。気品に溢れたその姿からただならぬオーラを感じていた。
「今日は新しくうちの事務所で働いている新人に魔法を教えてやろうと思ってな」
「そうか、俺はヴィクター•バベッジ、ヘイル魔道図書館の館長を任されている」
「初めましてヴィクターさん、僕は時村航琉です」
「君は一目見ただけで分かる。ジャックや黒耀の旦那のような良い魔法使いになりそうだ。そう言えば黒耀の旦那は今何をしているんだろうな?」
「洗脳が消えた今、師匠はどこ歩っているんだろうな」
「そんな話は置いておいて、航琉くん、ここに座ってもらえるかい?」
ジャックさんの師匠の話に疑問を抱きつつも僕は椅子に座った。
図書館の灯りが消え、本が光りに包まれながら宙に浮いている。本が星のように周りを回っていき、次第に光っていた本が1冊ずつ暗くなり、やがて3冊になった。その3冊の本は強い光を放ち、流星のように手の上にトンッと乗っかった。
「開いてごらん?」
知らない文字で綴られた本だけどなぜか内容がはっきりと分かる。
「〔共振する地の精霊〕、〔生命が刻む歴史〕…」
「最後の魔道書が読めないか?なに、不思議なことでは無い、皆最後の魔道書は読めないものだ」
「この魔道書を読むにはどうすればいいんですか?」
「それは君が強いを抱き続けば自ずと読めるだろうそうだジャック、女王様に挨拶は済ませたか?」
「そうだな、時村!女王様のいる宮殿に寄っていくとするか!!」
どうも作者です。
ヴィクターさんが図書館を任されて闘いと無縁になったせいかどこか優しい師匠みたいな立ち位置になっています。
次回はヘイルの女王の元に行きます。今作から読み始めている人は「女王様どんな人なんだろう」ときっと考えてるはず、メモリーズも読んで下さってる方は、「○○○が女王になったんだー」と考えてくれていると思います。
コラム「ヘイル編」
初登場はインク•メモリーズ•氷雪の銀狼
詳細はメモリーズを読んでね~




