L.P.11 ダレカノセカイ後編
〔崩壊残花-万華鏡-〕
部屋に6つの門が開いた、その門から解き放たれたのは6首の花の龍だった。
〔狂月神花-乱れ桜-〕
香留菜の背後に現れた巨大な桜の木が僕達を見下ろしている。
〔気焔散花-冠-〕
彼が鞘から抜いた刀から白い閃光がほとばしる。
〔落陽終花-散紅葉-〕
彼が紅の鎧を纏い、圧倒的な威圧感を放っていた。
全力で倒そうとしてくる兄の姿を見て僕は悟った、ロードパラレルが全員消失したこの状況で僕は勝てることは出来ない。でもやるしか無い。
〔共振する地の精霊〕
僕は自立型のゴーレムを8体、鎧型のゴーレムを腕だけ召喚した。
必死に戦った、持てる全力を尽くした。でも、僕の抵抗は虚しかった。花の龍の相手と香留菜の相手を同時にするのがかなり難しい。
ゴーレムが全機破壊されて、僕ももうボロボロだった。でも、諦める訳には行かない。僕がここで諦めたらみんなが戦ってきた意味が失くなってしまうのだから。
〔生命が刻む歴史〕
何か勝ち筋が無いのか、記憶を巡り、抗う。
そうだ、今ならあの文字が読めるかもしれない。
確か胸ポケットにあれが入っていたはず。
「あった!!〔無言の置き手紙〕の付箋」
僕は付箋を破り、最後の魔道書を開いた。1つの可能性に賭けることにした。それは…
「僕が最後のロードになることだ!」
〔僕が刻む記憶永久の羅針盤〕
電撃が周囲を走る中、僕は大きく飛び立って武器を構え叫んだ。
「これは風と歯車の記憶。今、吹き荒れる不死鳥となれ!」
〔永久の羅針盤•風帝〕
吹き荒れる電撃が花の龍の動きを封じた。
「これは聖なる光と煌めく結晶の記憶。その魂忘却の果てへ至っても神聖なものとなれ!」
〔永久の羅針盤•光帝〕
眩い一筋の電撃が紅の鎧を打ち砕いた。
「これは燃え盛る焔の記憶。今、全てを解き放つ矢となれ!」
〔永久の羅針盤•炎帝〕
雨のような雷撃が桜の木を焼き払った。
「させるか!」
香留菜が次の攻撃を阻止しようと飛びかかってきた。
「これは僕が、僕達が辿ってきた記憶。突風の弾丸よ、聖なる神罰よ、氷結の煌めきよ、解放を司る焔の弓よ、大地の精霊よ、今、永久の機構の元にその嘆き、怒り、悲しみ、抗いの一撃となれ!」
〔永久の羅針盤•雷砲帝〕
放たれた7色の光がロストパラレルを包んだ。
「グハァッ」
香留菜が玉座の前に倒れ込んだ。
「兄さん!!」
「航琉、お前こんなにも立派になったんだな…でもこれで終わりだと思わない方が良いぞ?」
「それは、どういうことなんだ?」
「覚えているか、父さんが言っていたこと。ロストパラレルは異なる世界を繋げる入り口だ。って、ロストパラレルの起動により、破棄されたはずの試作品、ロストオーシャンとロストコスモスが他の世界で起動し始めた。」
「嘘でしょ…」
「航琉、俺がお前に嘘ついたことなんてあったか?」
兄さんと同時にロストパラレルが消滅し、この世界は崩壊した。
僕は気が付くと現実に帰っていた。
僕は1通の電話をかける。
「もしもし、時村だ、快斗君今居る?根元世界の調査レポートを今日中にそっちに持っていくって伝えといて」
「承知しました」
僕は今まで見てきたこと、これから始まる戦い、全てをまとめてレポートを作り、警察署に持って行った。
「天海先輩?時村様から調査レポートが届きましたよ…あれ、先輩?」
床に書類が散らばった部屋にはまるで浸水したかのようなシミが出来ていたのだとか…
次回 蒼き咆哮 ロストオーシャン編




