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呪い

 あんた、呪いと聞くとどんなものを思い浮かべる?

 身に着けた装備品が外せなくなったり、魔法を唱えるたびに失敗したり、みたいな話を聞いたことがあるって?

 へえ、それは確かに厄介な呪いだな。かかりたくはないもんだ。


 今から話すのは、そういった呪いとはちょっと違うタイプのものだ。

 俺の住む街に、他人に向かってネガティブな言葉を吐き続けるやつがいた。

 お前は若いうちに死ぬだとか、お前は結婚できないだとか、お前は病気にかかってずっと苦しむだとか、そんな悪口をな。


 そいつ自身は別に魔法使いだとかまじない師だとかってわけじゃない。

 だというのに、その言葉を真に受けてしまった連中は、なぜかそいつが言った通り不幸になることが多かった。

 ただの悪口で、なんの強制力もなかったにも関わらず。

 そういう意味では、そいつの言葉はまさに呪いそのものだったと言えるのかもしれない。


 しかし、一番不幸だったのは呪いを吐き続けた本人だったんじゃないか?

 当然と言えば当然だが、本人は誰からも愛されることなく死んでいった。

 小さな家の中で、ひとりぼっちに。

 亡くなったことにしばらく誰も気づかず、ようやく死体が発見された時には酷い有様だったそうだ。


 ――きっと、呪いが返ってきたんだよ。


 皆、そう噂しあった。

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