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逃げたい悪役令嬢ですが、毎日公爵令息様が迎えに来ます〜悪役令嬢リリアーナの日記〜  作者: ayami


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13/13

スピンオフ 「私は、あの夫婦の被害者です」


 ―ローゼリア視点―


 結論から言います。


 私は、被害者です。


 ええ。


 間違いなく。


◆ 私について


 私の名前は、ローゼリア・フェンネル。


 アルディス公爵家・侍女長。


 つまり。


 あの二人を、一番近くで見てきた人間です。


 地獄でした。


◆ 出会った頃


 最初に思ったこと。


「……この公爵様、危険では?」


 表情:爽やか

 態度:完璧

 視線:一人限定


 リリアーナ様しか見てない。


 周囲、背景。


 私たち、家具。


◆ 逃亡時代の裏話


 あの頃。


 お嬢様が逃げるたびに。


 公爵様は――


「現在地は?」


「三十分後に確保可能です」


「よし」


 作戦会議、即終了。


(軍隊かな?)


 しかも。


 笑顔。


 怖い。


◆ 監視網の真実


 世間では。


「偶然出会った」

「運命の再会」


 とか言われてますが。


 嘘です。


 全部、計算。


 ✔ 郵便局 → 使用人配置

 ✔ 学院 → 教師買収

 ✔ 宿屋 → 全部系列


 逃げ場、ゼロ。


(愛って怖い)


◆ 婚約後の地獄


 婚約してからも。


 平和?


 いいえ。


 悪化しました。


「今日は何を食べました?」


「誰と話しました?」


「疲れてません?」


 一日五十回。


 報告義務。


 私は秘書か。


◆ 結婚式当日


 最大の事件。


 挙式30分前。


「……新婦が消えました」


 私、死にかけました。


 原因。


 ➡ トイレ迷子。


 五分後。


 公爵様が発見。


 抱えて戻る。


 お姫様抱っこ。


 満面の笑み。


「……確保」


 物騒。


◆ 現在


 今。


 二人は幸せです。


 とても。


 非常に。


 過剰に。


 朝。


「行ってきます」


 → キス3回


 帰宅。


「ただいま」


 → 抱擁5分


 夜。


「おやすみ」


 → 離さない


 私は見ない。


 見なかったことにする。


◆ それでも


 でも。


 本音を言えば。


 私は、この二人が好きです。


 逃げてたお嬢様。


 追い続けた公爵様。


 不器用で。


 必死で。


 真剣で。


 だから。


 ここまで来た。


◆ 私の願い


 ただ一つ。


「次は、普通の主君に仕えたい」


 無理でしょうけど。


◆ 最後に


 今日も。


 屋敷のどこかで。


「リリアーナ、寒くない?」


「大丈夫だよ」


「本当に?」


「大丈夫!」


「無理しないで」


「してない!」


「……念のため毛布」


 配布。


(過保護、限界突破)


 私は、今日も紅茶を飲みながら思う。


 ――愛って、ほどほどがいい。


 でも。


 あの二人には。


 ほどほどなんて、無理なのだ。

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