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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナ、剣の発表会にでる
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テイロスの力作?

旅行から一足先に帰ってきたルナは寮組が普段している旧校舎の掃除を手伝うべく登校していた。


「そういえばテイロス君たちは何してたっけ?」


不参加組の内マリーとイングリッドはお休みを満喫している。

クインクとカティナが寂しがっているのがなんとなくわかるのでちょっとだけ申し訳ない気持ちになりつつ校舎へ。


「よーいしょ、よーいしょ」


旧校舎へ向かっているとダズがふいごを一生懸命動かしているのが見えた。

ふいごから伸びた管はいつの間にか出来ていた石造りの小屋に続いており、そこからは時折金属を叩く音が響いている。


「ダズ君、テイロス君のお手伝いしてるの?」

「おや、おかえりなさい。そんな所ですよ……っと!」


ふいごは大型でダズはそれを全身を使って踏んで風を送り込んでいる。


「もうじき二本目ができるんですよ」

「二本目?もう二本も作っちゃったの?」


寝食を忘れる勢いですから、とダズは言う。

元より鍛冶の修行の一環で魔法を学んでいるテイロスは何かにつけて鍛冶の技術を補強できる知識を集めていた。


「出来たぞー!」


大声と共に小屋の天井が跳ねた。どうやら頭をぶつけたらしい。

しかし本人はそんなことお構いなしとばかりに出来上がった剣の刀身部分を持って出てきた。


「ついにできましたか!」

「ああ、渾身の出来栄えだ!大型の物と長剣がな!」


テイロスの手にあるのは長剣だろうか。大柄なテイロスが持つと長剣も小さく見える。

グラディウスのような剣に見えるがそれはテイロスが持っているからであり、ダズが近くによると彼の小さい身長に迫る長さであることがわかる。


「刃の見た目も最高だぞ」


刀身には何やら水面に朝日が煌めいた時のような模様が。ルナには全く理解できなかったが、それが綺麗であることだけはわかった。

こういう時の温度差は男女のあるあるなのだろうか。それともルナが父エルドに似て実用性重視だからだろうか。


「大物の方はどうなりました?」

「ああ、こっちもばっちりだ!」


ダズに長剣を預けて再び小屋に入ると今度は柄を含めると彼の肩くらいの長さもあるグレートソードが。

ぶっちゃけるとルナはそっちの方が凄そうだと思った。なにしろデカいのである。

二人はルナを他所にキャッキャッとはしゃぎながら今度は柄に巻くなめし皮や柄頭につける装飾などを考えているようだった。


「なにか特別なものがいいが……」

「そうですねぇ、刃の部分の材料費でほとんど使っちゃったから……」


二人は少し考え込んでから同時にルナの方を向いた。


「「脱皮とかしない?」」

「しませんね」


ルナは即答した。当然と言えば当然の返答に二人はだよね、と短く呟いてまた考え込んだ。

しかしルナはふと、自分が作る事で付加価値を付けられるのではと思いついた。


「私が悪魔化して作業したら付加価値はつきませんか?」

「つくだろうとは思うがそれだと剣そのものがオマケになりかねない」

「ルナさんが悪魔の姿で作ったら魔剣になりそうですし」


そんなもの?とルナは首を傾げた。実際は二人の言う通りであり、大悪魔の魔力が籠った物ならばそれだけで悪魔を使役出来得るトンデモなものである。


「うーん、そんなものなんだ……じゃあ私ができることは無いのかなぁ……」

「気にするな、元々俺たちの事だからな」


ルナは少し申し訳ないと言った様子を見せたがテイロスは笑って手を振った。しかし何かを思いついたのか一つ良かったら、と提案をした。


「剣の発表会が二つあってな、一つは実用性や機能性を見せる大会」


そう言うとテイロスは長剣を指さした。


「もう一つは見た目とちょっとした演技なんかをする大会がある」


テイロスが応募した剣の発表会は街で開かれる二つの大会。

どちらも剣の大会であるが片方は剣の切れ味や耐久性、時には剣で戦うこともあるという実用性や機能重視の本格的な大会。

もう一つは剣を美術品として捉え、機能性を維持しつつも華やかな見た目を追求した大会である。

どちらも街ではかなり格式のある大会で、鍛冶の腕前を試すだけでなく装飾関係の知見も広めたいテイロスはそのどちらの大会にも出品して成果を上げたいと思っていた。


「もしよかったら俺の作ったグレートソードをルナちゃんに持ってて欲しいんだ」

「私が?」

「ああ、グレートソードの大きさも映えるし、男が持ってるよりルナちゃんが振り回す方がインパクトがあるだろ?」


そう言われてルナは試しに台の上に寝かせてあったグレートソードを持ち上げてみた。


「むんっ……!ちょっと、重い!」


ずっしりとしたそれは並みの人間では振り回すのはもちろん、持ち上げるのも大変そうな代物だ。

しかし足腰をしっかり踏ん張ってやればルナならば振ることもできなくはない。


「持ちあがるんだ……」

「ちょっとで済むのか……」


ダズが思わず呟いた。テイロスもちょっと驚いている。

そしてそれをブンッ!と振り下ろし、地面に叩きつけることなく留めたのでダズは呆気に取られていた。


「振れるならますます適任だ、所作なんかも審査の対象になるからな」

「そうなんです?」

「ああ、これなら俺からお願いしたいくらいだ」


ルナの動作はエルドの影響を受けているからか初心者とは思えないほど様になっている。ルナ本人の見た目の華やかさも相まって剣士として出場すれば皆の耳目を集めるはずだ。

そうなれば自然と剣にも注目が行くということである。


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