表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナ、水軍の船長と出会う
338/345

いいつけてやる!

鞄をゴソゴソと漁るティナはやがて見覚えのあるハンドベルを見つけた。


「あった!これだ!」

「これがなんなんだ?」


イシシは不思議そうにルルイエのハンドベルを見ている。


「これを鳴らせばルナちゃんの先生が飛んできてくれるんだよ」

「そりゃすげぇ」


ティナはさっそくハンドベルを振った。しかし・・・


「音が鳴らないぞ」

「あっれー?」


ティナは使い方まではちゃんと見ていなかったのである。

実際は魔力を通しながら振る必要があるのだがルナが使っているのを見ていただけではそこまでは分からなかったのだろう。


「うーん!」


マラカスのように振り回してみるもまるで鳴子すらついていないかのように静まり返っている。


「壊れてるんじゃないのか?」

「そんなバカな!肝心な時にぃ!」


ティナは困った時の頼りとばかりにカティナ達に相談することに。振り返ってみるとロッジに皆が入ってくるのが見えた。


「カティナちゃん!クロエちゃん!それにクインクちゃん!おせーて!」

「何がなにやら」

「・・・そのベルは魔道具なの?」

「かもだよ」


突然踵を返してやって来たティナに皆は困惑していたがクロエがぼそりと呟いた一言で皆が使い方をなんとなく察した。


「・・・魔道具なら魔力が必要なはず」

「なんで?」

「ティナちゃんちょっとは自分で考えなよ」

「・・・わかんない!」

「ほんとにちょっと!」


動力の魔石が無いから!とカティナに言われてティナは確かに!と頷いた。自分で全く考えていない。


「じゃあ魔力を込めてやればいいんだね!」


ティナはそう言うが早いか外に飛び出してハンドベルを掲げた。なんで外に?と皆は思ったがハンドベルを振るとルルイエが現れるのを見ているので広い方が良いと思ったのかも知れない。


「カモン!ルルイエせんせー!」


そう言って魔力を流そうとした刹那。


ヒョイッ、パク。


怪しく目を光らせた海鳥が飛んできてハンドベルを奪っていった。ついでに何かがティナに直撃する。


「ウギャー!」


ティナは海鳥を見やると悲鳴を上げた。ハンドベルを奪うついでに落とし物までしてきたからである。

カティナとクインクが無言で井戸水を汲みに行き、イシシは雑巾を用意している。


「・・・ツイてる、ウンが。えんがちょ」

「や、焼き鳥にしてやる!!」


半笑いで呟いたクロエの頭を引っ叩きながらティナは魔力を込めると海鳥に向かって雷を落とした。

その狙いは正確に海鳥を穿ち、そのついでにハンドベルは高らかに鳴り響いた。



『はぁい、呼ばれて・・・ギャー!』


割と高度のある場所で呼び出されたルルイエはバランスを崩して焼き鳥になった海鳥と一緒くたになって木の上に落ちた。


バキバキ!バサバサバサ!


枝が折れる音と葉っぱが舞い散る音と共にルルイエが焼き鳥と一緒に落ちてきた。


『うぅっ!酷い!』

「焼き鳥・・・ルルイエせんせー!」

『貴女今なんて?』

「焼き鳥せんせーって言いました!」

『正直に言えば良いってもんじゃないのよ?』


ルルイエは呆れながらがいうとティナから漂う異臭を感じて眉間に皺を寄せた。


『くっさ!貴女・・・うわっ!鳥のフンじゃないの!』

「うひーん!面と向かって臭いっていうなー!」


にじり寄ってきたティナに鳥のフンが直撃していることを知るとルルイエは慌てて距離を開けた。

ティナは泣きながらルルイエに追いすがるのでルルイエは頭に枝や葉っぱをつけたまま逃げ惑う。


「ティナちゃん、はいこれで拭いて・・・」

「ありがと・・・うぅぅ・・・意識すると臭さが凄いんだよぉ」

『まったくもってどういうことなの?私なんか悪い事した?』


ルルイエは困惑しながら枝や葉っぱを取り払い、パタパタと服についた土埃を払っている。

その隣では水を汲んできたカティナが追いついてきてティナの体を拭いてあげている。不幸中の幸いというべきか水着のままだったので汚れはあっという間に落ちた。臭いも落ちたので一安心である。


『それで?私がこの鳥の死骸と一緒になって落とされた理由を聞きたいわね』


ルルイエは丸焼きになった鳥を魔法で浮かせながら言う。そしてそれをしげしげと見つめると何かに気付いた様子を見せた。


『あら・・・?』

「どうしたんすかー?」

『これ、使い魔ね』


ティナが尋ねたところルルイエは短くそう言い、それが自分のハンドベルを持ち去ろうとしたことを知って全てを察したように溜息をついた。


『ウェパルがなにかやらかしたわね?』

「するどいっす!」


うえーい!とティナが飛び跳ねるのを無視してルルイエはつづけた。


『ルナちゃんの姿が見えない所を見ると彼女が連れ去っちゃったのかしら』

「そうなんです、早く助けないと・・・」

『気持ちはわかるけど焦っちゃダメ。相手は悪魔の中の大貴族、王侯貴族のそれなの。あなた達が束になったところで力では敵わない相手よ』


まずは私に任せて頂戴、とルルイエはカティナを宥めつつも頭の中で色々と考えていた。


(きっとフラストレーションが爆発したんでしょうねぇ・・・)


ルルイエは大悪魔達の仲でウェパルとラハブが一番ルナと気軽に接触できないと考えていた。

理由はもちろん物理的な場所の問題である。ウェパルが召喚され、召喚者から人型を取る許可を得ないと彼女は人里に下りられない。

そんな中、ウェパルはルナもといアービルの保護者的な立場として集まる中バエルがバチボコにマウントとってくるのを死んだ目で見ていたのである。


ワシ、また手紙もらっちゃった!


堂々と要求した癖にバエルはこれである。それを聞かされるウェパルの心境やいかに。

大悪魔の中でグレモリーと共に数少ない女性であるウェパルはとりわけルナの事を気にかけていた。

しかし彼女との接点があまりに薄いことで悶々としていたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ