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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナ、水軍の船長と出会う
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人魚の入り江へ!

イシシは首尾よく船を借りられたので一安心といったところ。

 ルナも交渉やらなにやらが無く、すんなりと全員が乗れる船が用意できたのを知って安心である。


「・・・それはそうとイシシ船長」

「なんだよ勿体ぶりやがって」


 漁師は周囲を伺うような素振りを見せ、こっそりとイシシに言った。


「離島の近くで漁をしていた奴が見たんです」

「?なにをだ?」


 不思議そうな顔をしているイシシに漁師は震えながら言った。


「海の中から誰かがこっちを見てたって・・・」

「誰か?素潜りで漁をする奴だっているんじゃないのか?」

「あんな沖で素潜りする奴なんかいませんよ!」


イシシはとぼけてみたが漁師はあっさりと反論してきた。沖に出ると魔物やセイレーンが跋扈している悪魔の領海、そこで船を降りることは無謀を越えて自殺行為だ。

そんなことはワイルビーの漁師なら誰だって知っているからである。


「しかし誰かったってセイレーンとか魚とかじゃねえのか?」

「セイレーンにしちゃでかいし、魚やクラーケンにしちゃ人間の目にそっくりだったんで・・・」


イシシはそれを聞いておそらく・・・と頭の中で考える。


(ウェパルが痺れを切らして迎えにでも来てやがったか・・・?短気すぎないか・・・?)


十中八九、ウェパルが離島にルナが来るのを待ちわびているということになるだろう。とても海を支配する大悪魔とも思えないこらえ性のなさだが・・・。


「俺たちが離島に向かうからその途中で調べてみるか、まあなんとかなるだろ」

「ホントですか!」


頼みますよ!と漁師はイシシを拝む勢いだ。原因に心当たりのあるイシシとしては何と返したものやら。

まあ任せとけ!と返事をしながら振り返るとルナが困ったように眉間に皺をよせていた。


「どうした?」

「海の魔物でしょうか・・・だとすると離島に行くのは危険なのでは・・・」

「いやいや、そんなことはないさ。むしろ行かないと・・・」

「?」

「なんでもねえ、とにかく離島に行けば大体解決するさ」


ルナが不思議そうにしているのを無理矢理誤魔化してイシシは皆の所へ。

すると皆は食事を終えて二人が戻ってくるのを待っていた。すぐにでも出発できそうだ。


「船だいじょうぶそ?」

「ああ、問題ない。ただちょっと急いだほうがよさそうだ」


ティナが首尾を尋ねるついでにイシシはティナに耳打ちした。


(ウェパルがお待ちかねだ、離島に行くルートを監視してるらしい・・・漁師が怖がってる)

(ええ、昨日今日でもう待ちかねてるの・・・?)


早すぎない?とティナも困惑している。しかし双眸が海の中で光っているなどイシシでも背筋が寒くなりそうな目撃例がでているのである。どうにかしないと誰も漁に出なくなってしまう。


「よし!昼飯の時間になる前に出発する!準備はいいか?」

『OK!』


皆はイシシに連れられて係留してある船へと向かう。皆が順番に乗り込むと最後に乗り込んだイシシがロープを解いてオールを漕ぎ始めた。


「漕いで進むの?」

「港から離れるまではスピードを出すと危ないんだ、帰ってくる船と鉢合わせすると困るからな」


ぎーこぎーこと船がゆるやかに進む。そしてそのまま沖に差し掛かるとイシシは船に積まれていた柱を立てて帆を張った。


「よーし、この風ならすぐにつくぞ」


カティナの補助がなくとも船は速度を上げていく。イシシの技量もさることながら風がいい具合に吹き、潮の流れも悪くないのだ。


(こんなに速度が出ることは・・・うおっ!)


海中からじーっと見ている目とイシシは目が合った。間違いなくウェパルである。

海中から覗いているとはいえその巨大さ故に鼻から上あたりが海に透けて見えており、魔力を帯びた眼光故か両目が一際目立って見えるため非常に不気味だ。


(びびった・・・声が出るかと思ったぜ)


海中でらんらんと輝く瞳はイシシ達を確認するとそのまま海の底へと戻って行った。

おそらくだがこれでもう出てくることは無いだろう。


(脅かしやがって・・・この半魚人め・・・!)


悪態をつきながらイシシは帆を操って皆を離島まで運ぶことに。


「海が綺麗ですね・・・」


昨日も船にのったが小さな船は海面に近いぶん見える景色も違ってくるもの。幸いにもあのホラー現象に遭遇しなかったルナ達はのほほんと海の景色と頬を撫でる潮風に吹かれている。


「ここらへんは浅いとこと深いとこでくっきりと海の色がかわっているらしい」

「そうなんですか?」

「船から落ちたヤツとかセイレーンからの情報さ、酷い目に遭う代わりに海の神秘に触れられる」


ウェパルの赦しを持っている者はセイレーンに見つかった場合海面か船、もしくは浜まで送り届けてくれる。

魔物ならば一巻の終わりといったところだ。しかし魔物も明るい時間帯では海が日光で照らされているのでそうそう襲いにきたりはしない。来ない確率はそれほど高確率ではないが。

海に生きていない生物では危険すぎて確認できないことであったが日光が届く水深までは海は魔力が霧散し、もしくは浄化されて無色になるがそれ以降は悪魔や魔物が行き来するために魔力の濃度が高くなり色が暗いものになるのだ。


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