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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナ、水軍の船長と出会う
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海へ!

ルナはそれを聞いて大喜びである。


「わぁい」


そんなルナを見てエトナーも笑顔になる。


「一応、名目は港町の祭礼を勉強しにきた僧侶の卵だ。ルナちゃんはちゃんと僧形で行くようにな」

「はーい」


勉強の合間に人魚の入り江で遊ぶ、そういう建前だぞ。とエトナ―は念を押した。しかし旅支度に修道服はとても大げさだからとエトナ―は脱ぎ着しやすい服装を探してくれた。日光教の教会には急な旅支度に備えて簡素な服装が許容されることがある。また見習いの僧侶や神官が旅に出る際に着る物も用意されている。


「これとこれを港町に入るときには着とけ」


ルナに頭を覆うケープと修道服の簡素版ともいうべきデザインのポンチョを手渡した。


「こんな簡単なものでいいんですか?」

「儀式本番に普段着で来たら問題だが祭礼の勉強に行くんだから旅支度でいいさ、服や道具は汚れるし破れるし壊れるもんだ」

「ほへー」

「日光教は各地に支部があるし、よっぽどこだわりが無けりゃ現地の教会で借りることもあるんだ。祭礼やらを取り仕切る僧侶なんかはとにかく居ねえと話にならねえからな」


私も着の身着のままで杖だけだからな!とエトナ―はからから笑いながら言う。しかし彼女の頭の中には図書館レベルの知識と歴史が詰まっている。それ故に服装は現地に教会で整えれば中身は詰まってるのでなんとでもできるのだろう。

それに旅の度合いによっては服が汚れたり行動が制限されてしまうこともある。服装にこだわって遅刻するより現地で服を借りてでも間に合わせる方が大事らしい。


(かなり良いように言ってるような気がするけどなぁ・・・)


ルナは服装に関して別段頓着しない彼女の考えには少しだけ腑に落ちない感じではあったがそれに反論する気も別段なかった。なにせ彼女が「これが伝統だよ」と言ってしまえば彼女より長生きな人型生物は居ないのでそれがまかり通ってしまうのだ。それにいつも着ている服がそもそも修道服だし。

権威の象徴であり、常に修道服で固めている彼女が服装に関して最低限でいいというのだからいいんだろう。


「予定が決まったら教えてくれよ、後進の育成は何時だって大事な事だからなー」

「わかりました、でも・・・旅行の次いでみたいになっちゃうけどいいんでしょうか?」

「子供がそんなこと気にするもんじゃない、嫌でも大人になりゃついてまわることだ。今の内に楽しんどきな」


長椅子に腰掛けて手を振るエトナ―はそう言うとルナに笑みを投げかけた。

ルナはエトナ―に丁寧にお礼を言ってその厚意に甘えることにした。




「皆!エトナーさんが馬車を出してくれるって!」

「えっ!じゃあお金は?」


ティナはさっそくそこに食いついた。それにルナは笑顔で答える。


「日光教の祭礼を勉強する名目だからタダです!」

「「「「わぁい!」」」」

「でも勉強もちゃんとします!」

「「「「わぁい・・・」」」」


ちょっと嫌そう。勉強とつくとやっぱり嫌だった。





「・・・あなた達でしょうか?」

「はい、お願いします」


それから少しして日程を調整した一行は日光教の僧侶が乗る馬車に乗り込んだ。

ティナたちが笑顔で乗り込む中で最後にルナが御者の僧侶に深々と頭を下げる。


「今日は私達の為にありがとうございます」

「いえいえ、務めですから」


御者を務める彼は最初こそエトナ―に無理矢理やらされたのか不機嫌だったが乗せる人員が女の子ばかりということですぐに表情を明るくした。大人な対応をしているからだと信じたい。


「港町かぁ・・・お土産なにがいいかな」

「海に因んだ物がたくさんあるけどあそこの港町は貝殻のアクセサリーとか買えるらしいよ」

「海ですか・・・どんなところなんでしょうか・・・」


浮いた旅費を何に使うかで既にティナたちは盛り上がっている。限られたお小遣いの中でそれをいかに使うか、その計画を立てるのはとても楽しいことだ。またクインクは海を見たことがないので色々と想像を膨らませている。


「・・・祭礼もどういうものなのか気になるね」


御者の反応を横目で見つつ、クロエが言う。名目は祭礼を学ぶ為だ。ルナは一応僧形で来ているが他の面々は旅行に行く恰好をしているし、クインクはそもそも悪魔だ。話題だけでもそちらの事を振っておかなければ怒られるかもと思ったのだろう。


「港町では生まれた子供が決まった年齢になると海の支配者である大悪魔ウェパルに海に入り仕事をする許可と加護を得る為に貝殻で作った護符のネックレスを作るのが習わしなんだって」


海に出て仕事をするというのはとても危険な事だ。山道で迷ったり、危険な獣に会わないように山の神やヌシに祈りを捧げるように港町では海神や海を支配する大悪魔に祈りを捧げてその加護や庇護を受けるのだろう。

特に地下や海というのは太陽の光が届かなかったり、太陽が沈む場所ということで悪魔が信仰されることが多い。

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