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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナ、嘆きの妖精と出会う
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騒動は時と共に流れて・・・

妖精食いの騒動が終わり、街が平穏を取り戻しつつあった。魔法学校もそれに伴って徐々に授業は再開されて普段の賑やかさが取り戻されていった。


「えー、であるからして魔法薬の歴史は貿易によってもたらされた薬草によって飛躍的に発展したわけだ」


授業も再開され、アダムが教鞭を取る中・・・Fクラスの面々はそわそわしていた。


「よし、全員寝てないな・・・それだけで感心してしまう自分が情けないが」


時折アダムは全員が居眠りをせずに授業を聞いているか心配していたが振り替えると全員がノートかこちらを見ているのを見て感心しつつ、そんな自分に苦笑していた。


「よし、今日の授業はここまでだ。皆ちゃんと復習するんだぞ」

「「「「はぁい」」」」


平和な一日が終わり、時間は放課後へと移って行った。





「ねえ、誰か海行きたい人いない!?」


ティナが突然立ち上がるとチラシを手に行った。その言葉に全員の注目が集まったが・・・。


「悪いが俺はパスだ」

「僕も」

「ええっ!なんでさ!」


男子二人が最初にパスした。ティナは当然ぶーぶーと不平を漏らしたが二人、特にテイロスには近くに予定があったのだ。


「美術的価値のある刀剣を発表する大会がありましてね、それに向けて準備中なのです」

「ああ、そっか。テイロス君は鍛冶師が本業だもんね」

「そういうことだ」


それに、とテイロスは種族特有の理由もあげた。


「俺は水に浮かない」

「僕は逆に沈みません」


二人は体重差で全く水泳に向いていない事が分かった。ドワーフは筋骨隆々な為に水に全く浮かず、魔法の補助か船が無ければ水の上では行動できないのである。逆にダズは体重が軽く、体が小さい為にどうやっても水の上に浮いてしまい、潜れないとのこと。


「それに僕たちは土の属性の魔法を使うので水の上ではほとんど役に立てません。何かあったら無力なんですよ」

「水に落ちても自力で上がれないしな」


加えてテイロスは魔法に高い耐性がある事が災いして魔法が皮膚などに定着しづらいのである。

つまり水上歩行などの魔法をかけても肌が触れた所から魔法が解けてしまい、すぐに効果が切れてしまう。

用事がある上に海に行っても泳ぐこともできないので意味がないというわけだ。


「そうなのぉ~?うーん、じゃあ他は?」

「私は行くのは構わないけど、突然どうしたの?」


ルナが疑問を投げた。普段ならばこういったお金のかかる事を好まない彼女だが今回は少し事情が違ったようだ。

ルナの疑問にティナは上機嫌で答えた。


「実は妖精食いの騒ぎの時に私の考えた魔除けを取りつける器具が売れてさー」


ティナの考えた器具というのは簡単に言うと魔法の電気を帯びさせることによる磁石だった。妖精食いの襲来に備えて魔除け代わりの鉄製の道具を吊るす必要があったが、鉄製品を吊るすのに十分なフックなどが確保できない家も多く、魔除けの作成に難儀している家が多かった。そこに目を付けたティナは釘に自分の魔法で電気を帯びさせることで磁石を大量生産し、各家庭にお手軽に鉄を貼り付けることができるお助けアイテムを売り歩いたのだ。


「ちょっとした釘やら家のドアの蝶番なんかを磁石にして鉄の道具なんかを貼り付けるようにしたら工賃やら釘の売れ行きやらで大当たりしたのよ!」


バンシィ騒ぎで鉄の値段が上がり始める少し前から売って小銭にしようとこつこつと鉄を拾い集めていたティナはテイロスの使っている鍛冶場で屑鉄を叩いて大小さまざまな釘にしていたのだ。ちなみにテイロスも時々手伝わされていた。


「釘ばっかりつくってたのはそれでか」

「そうそう、おかげで大儲けできたよん」


緊急事態だということでやっつけ仕事の釘も飛ぶように売れ、工賃ももらったことでさらに売れ行きは上がった。

磁力を帯びたティナの作った釘は鉄製品を良くくっつけた。さらに本人も気づいていない事だったが妖精食いは本体が空を飛んでいる為に雷を怖がる性質があった。地上を歩く人よりも彼らの方が雷雲に悩まされる回数が多いためである。その為に雷の魔力を帯びた釘があちこちの家に刺さっているのを見て妖精食いは鉄製品以上にそれらを嫌った。


「だからさ、皆でバカンスにでも・・・と思ったんだけど」

「海かー・・・悪くないよね」


クロエがじめじめしながら答える。水着ならば好きなだけじめじめしていいのだ。水属性のあるクロエはさらに土地との相性もいい。


「そうだね、私も海行きたいなぁ」

「御主人様が行くなら私も行きます!」


クインクが元気に答える。しかしイングリッドはここでも不参加を表明した。理由は当然ながら彼女の体に流れる吸血鬼の特性である。


「水の上はゾッとするから辞めとく・・・」

「川渡る度に飛び跳ねてるもんね」


そんなやりとりをしつつ、海に向かうメンバーはルナ、ティナ、カティナ、クロエ、クインクとなった。


「それで、海って言ってたけどどこの話なの?」

「ふっふっふ、それがなんと船にも乗れるプランなんだな!これが!」


そう言うとティナはチラシを見せる。そこには船旅を格安で!と書かれている。

船に乗れる。その事が新たな騒動の発端になるとは誰も思っていなかった。

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