表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/23

第8話:宇宙修学旅行の事前学習、情報量が多すぎる

朝のHRホームルームで、化世先生がニコニコしながら言った。


「今月末、宇宙修学旅行ガアリマス」


「修学旅行“ガ”? ていうか“宇宙”って聞き間違いじゃないよな!?」


「行先ハ、“メテオ温泉郷(第三次元)”デス。銀河評価4.7星ノ名所」


「星の評価なのか、評価が星なのか、星そのものなのか分からん!!」


「ソレデハ、事前学習ヲ始メマス」


教室の電気が消え、プロジェクターが起動。スクリーンに映ったのは──


“修学旅行しおり・時空対応版”

著:化世ヒカリ(自作PDF)


ページ1:旅の目的


・多次元間の異文化交流

・宇宙における“友情”の再定義

・おみやげの適切な選び方(重要)


「三つ目だけ地味に現実的!!」


ページ2:旅程(仮)


・初日:メテオ温泉にて“重力風呂”体験

・二日目:小惑星探索ツアー(選抜式:酸素ボンベ付き)

・三日目:異星民族と“伝統じゃんけん”で勝負(負けると講演会参加)


「重力風呂!?じゃんけんで人生左右されるの!?」


ページ3:持ち物リスト


・歯ブラシ

・タオル

・精神安定剤(3次元酔い防止)

・“存在証明カード”※異次元に消されないためのもの


「最後だけ物騒すぎるわ!!消されるの前提!?」


すると、先生がカバンから現物を取り出した。


「コレガ、“存在証明カード”デス。本人ノ記憶ノ一部ヲコピーシ、時空ノ歪ミ内デ自己認識ヲ固定スル装置」


「理屈は分からんが……ちくわぶの形してる!!」


「安心感ノ象徴デス」


「むしろ不安になるわ!!」


ページ4:注意事項


・銀河語B~Dまでは最低限話せるようにしておく

・“時空のひずみ”で体が2人に分裂しても慌てない

・“時の番人”に話しかけられても無視しない(※大切)


「なんで注意事項に“分裂”とか“番人”とか入ってくるんだよ!!」


教室がざわつく中、田島副担任(まだ生きてた)が手を挙げて質問した。


「先生、この“次元税”ってなんですか?」


「異なる存在平面を跨グ際ノ、通行料デス。校納金ニ含マレテマス」


「親にどう説明すりゃいいんだよ、その“次元税”……!」


ページ5:宇宙マナー講座


・ワープ中に他人の“精神軸”を触らない

・“無形体”の生徒とも積極的に交流すること

・温泉で“物理化”が始まっても笑わないこと


「もう全部が初耳すぎて意味が分からん!!」


補足:非常時の行動マニュアル


時間が逆行し始めた場合 → 静かに先生の名前を三回呼ぶ


宇宙船が“自己否定”を始めた場合 → 褒めて伸ばす


うっかり神格存在に話しかけた場合 → 土下座してそのまま寝たふり


「この旅、命がけすぎない!?」


そのとき、スクリーンが消え、教室が暗闇に包まれた。


「……停電?」とざわついた瞬間、天井から降りてきたのは、宇宙服を着た“案内ロボ”だった。


「コンニチワ、修学旅行ガイドAI“ワタルMk-IV”デス」


「ワタル!? なんでロボがしゃべってんだ!?」


「皆サンノ安全ヲ第一ニ考エ……アレ?……チクワブ検出。設定違反。異常検出……」


「ちょ、待て!!先生、なんかロボが暴走し始めたぞ!?!?」


化世先生がさっと前に出て、ポケットからちくわぶを取り出した。


「落チ着ケ……チクワブヲ見ロ……コレガ真実」


「先生、それ万能アイテムじゃねぇからな!?!?」


ロボは数秒間静止した後、機械音を立てながらしゃがみ込んだ。


「……安定シマシタ。チクワブ、癒シ……」


「いやどんなプログラムだよお前!!!」


こうして、事前学習は無事(?)終了した。


俺たちの前に広がる、銀河の果ての修学旅行。


でもその前に——


「先生、本当に行けるんですか?」


「校長ノ承認ノ印鑑、まだモラッテマセン」


「まだ申請通ってねえのかよ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ